福祉用具専門相談員の指定講習とは|講習会の内容と選び方

福祉用具専門相談員の指定講習とは何か、講習会の内容と選び方を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が厚生労働省や都道府県などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。指定講習の内容や日程、受講料、介護保険の制度は都道府県や講習事業者、時期によって変わることがあるため、最新の情報はお住まいの都道府県や講習を行う事業者、厚生労働省の公式サイトで確認してください。

福祉用具専門相談員の講習を探し始めると、「指定講習」「講習会」「養成講座」と呼び名がばらばらで、どれを受ければいいのか迷いますよね。

結論から言うと、資格の要件になるのは、都道府県知事が指定した事業者が行う「福祉用具専門相談員指定講習」だけです。名前が講座でも講習会でも、指定を受けた講習かどうかが分かれ目になります。

この記事を読むと、指定講習の確かめ方、53時間の講習会で学ぶこと、自分に合う講習会の選び方が順番に分かります。

目次

福祉用具専門相談員の講習は「指定」が付いているかが大事

先に結論

福祉用具専門相談員になれるのは、看護師や介護福祉士など8つの国家資格を持つ人と、指定講習を修了して修了証明書を受け取った人です。指定講習は、都道府県知事が申請を受けて指定した講習事業者が行います。

『ネットで見つけた講座を受ければ、福祉用具専門相談員になれるんでしょ?』と考える方も多いはずです。

実は、介護保険法施行令の第4条で、資格の要件になる講習は「都道府県知事が指定する講習事業者が行う指定講習」と決まっているんです。指定を受けていない講座をいくら受けても、要件は満たせません。

福祉用具専門相談員の講習は、国家試験に合格して取る資格とは違います。講習の課程を修了して、事業者から修了証明書を受け取ることがゴールです。

講座・講習会・指定講習会、呼び名の違いは気にしなくていい

スクールの案内では「福祉用具専門相談員講座」「福祉用具専門相談員資格講座」「福祉用具専門相談員養成講座」のように、いろいろな名前が使われています。

呼び名はスクールごとの付け方なので、名前だけで中身は決まりません。確かめたいのは、その講習会が都道府県の指定を受けた「福祉用具専門相談員指定講習会」かどうかです。

呼び名の例資格の要件になるか確かめること
福祉用具専門相談員指定講習なる指定した都道府県と事業者名
福祉用具専門相談員講習会指定を受けていればなる案内に「指定講習」とあるか
福祉用具専門相談員の資格講習指定を受けていればなる修了証明書が出るか
福祉用具の知識を学ぶ一般の講座ならない指定の記載が無いか
福祉用具プランナーなど別の研修ならない目的が違う別の研修

一般の講座でも、福祉用具の勉強としては役に立ちます。ただ、資格の要件として受けるなら「指定講習」の文字を探してみてください。

国家資格を持っている人は講習が要らない

福祉用具専門相談員の資格講習を受けなくても、次の国家資格を持っていれば福祉用具専門相談員として働けます。

  • 保健師、看護師、准看護師
  • 理学療法士、作業療法士
  • 社会福祉士、介護福祉士
  • 義肢装具士

厚生労働省の資料では、令和6年10月1日時点で福祉用具専門相談員の84%が講習会修了者です。多くの人が指定講習から入っているので、講習から始めるのはごく普通のルートなんです。

国家資格ごとの扱いは福祉用具専門相談員の資格要件で詳しく見ています。初任者研修の修了だけでは要件を満たさない点も、ここで押さえておきましょう。

指定講習会かどうかを確かめる手順

確かめ先は都道府県のページ

指定講習事業者は都道府県知事が指定するので、都道府県の公式サイトに事業者の一覧や開講予定が載っていることがあります。スクールの案内と、都道府県のページの両方を見ると安心です。

講習会を見つけたら、申し込む前に「本当に指定講習か」を確かめておきたいですよね。

指定は、事業所の所在地を管轄する都道府県が事業所ごとに行います。所在地以外の都道府県で講習を開く場合、開催地の都道府県で別に指定を受ける必要はありません。

つまり、お住まいの県の一覧に載っていない事業者でも、別の県で指定を受けていれば指定講習です。この点を知らないと、選べる講習会を自分で狭めてしまうことも。

指定講習かどうかを確かめる流れ
  1. 講習会の案内に「福祉用具専門相談員指定講習」の文字があるか見る
  2. 指定した都道府県の名前と、指定を受けた事業者名を確かめる
  3. その都道府県の公式サイトで、指定講習事業者の一覧を探す
  4. 一覧に事業者名が載っているか照らし合わせる
  5. 修了証明書を出すと書いてあるかを確かめる
  6. 分からない時は、講習事業者か都道府県の担当課に問い合わせる
指定講習かどうかを確かめる流れを、案内の文言・指定した都道府県・都道府県の一覧・修了証明書の4段で上から順に示した図解

都道府県のページには何が載っている?

例えば大阪府は、指定講習事業者の一覧と開講予定をまとめて公開しています。埼玉県・京都府・山梨県なども、指定講習の案内ページを設けています。

載っている内容は都道府県によって違います。事業者の一覧だけの県もあれば、開講予定まで載せている県もあります。

一覧が見つからない時は、検索で「都道府県名 福祉用具専門相談員指定講習」と入れて探してみてください。

修了証明書は2種類もらえる

指定講習のすべての課程を修了すると、修了証明書と、持ち歩ける携帯用の修了証明書が交付されます。携帯用は、運転免許証くらいの大きさです。

修了者の名簿は、講習事業者が作って都道府県知事に送ります。働き始める時に事業所から修了証明書を見せてと言われることもあるので、大切に保管しておきましょう。

申し込む前に案内で見ておきたいこと
  • 「指定講習」と書いてあるか
  • 指定した都道府県と事業者名が分かるか
  • 修了証明書と携帯用の修了証明書が出るか
  • 修了評価のやり方が書いてあるか
  • 欠席した時の扱いが書いてあるか

53時間の講習会で学ぶことと修了評価

今受ける講習は53時間

令和7年4月から指定講習は53時間の新しいカリキュラムになりました。旧カリキュラムの経過措置は令和8年3月31日までに終わる講習に限られていたので、今から受ける講習は53時間です。別に、筆記の修了評価が1時間程度あります。

『講習会って、具体的に何を勉強するの?』というのは、申し込む前にいちばん気になるところですよね。

福祉用具専門相談員指定講習は、介護分野の知識や技術を持たない人も受けることを想定して作られています。制度の基礎から、からだの理解、福祉用具の使い方、計画の作り方まで順に学びます。

科目時間主な中身
福祉用具と福祉用具専門相談員の役割2時間福祉用具の役割、相談員の役割と職業倫理
介護保険制度等に関する基礎知識4時間介護保険の仕組み、介護サービスで大事にする視点
高齢者と介護・医療に関する基礎知識16.5時間からだとこころの理解、リハビリ、介護技術、住環境と住宅改修
個別の福祉用具に関する知識・技術17.5時間福祉用具の特徴と活用、安全利用とリスクマネジメント
サービスの仕組みと利用の支援、総合演習13時間福祉用具の供給の仕組み、福祉用具貸与計画の作成
合計53時間修了評価は別に1時間程度

令和7年の見直しでは、安全利用とリスクマネジメントの科目が加わりました。講義だけでなく、演習の時間も増えています。

科目ごとの中身は福祉用具専門相談員の講習内容で、現場のどの仕事につながるかと合わせて紹介しています。

「50時間」と書いてある情報は古い

少し前の記事や本では、指定講習は50時間と書かれていることがあります。これは平成27年4月から使われていた旧カリキュラムの時間です。

令和8年4月以降は、すべての指定講習事業者が新カリキュラムで講習を行います。古い情報を見て「50時間で取れる」と思い込まないようにしておきましょう。

最後に筆記の修了評価がある

全科目が終わったら、筆記による修了評価を1時間程度で受けます。この時間は、53時間には含まれません。

国の通知では、修了評価は講習の到達目標に沿って、知識と技術がどれくらい身に付いたかを見るものとされています。想定しているのは「列挙できる」「概説できる」レベルです。

修得が足りない場合は、事業者が必要に応じて補講などをして、到達目標に届くよう努めることになっています。出題の傾向や復習のしかたは福祉用具専門相談員の試験(修了評価)にまとめています。

講習会を選ぶ5つの観点

比べるのは「会場・日程・形式・修了評価・再受講」

指定講習は、どこで受けても学ぶ科目と時間数は同じです。違いが出るのは、通い方と、つまずいた時の扱いです。この5つで比べると、自分に合う講習会が見つけやすくなります。

指定講習は国が中身を決めているので、内容で大きな差は付きにくいんです。だからこそ、受け方の条件で選ぶのが近道です。

観点何を比べるか案内のどこを見るかこんな人は特に確認
会場通える場所か、演習の会場はどこか開催地・会場の住所近くに会場が少ない地域の人
日程連続か、週1回ずつか、何か月かかるか講習期間・日程表働きながら受ける人
形式通学か、オンラインか、組み合わせか受講方法・必要な機器家で受けたい人
修了評価いつ、どんな方法で受けるか修了評価の実施方法試験に不安がある人
再受講欠席や不合格の時の補講・振替欠席時の取扱い・補講の費用急な休みが入りやすい人
講習会を選ぶ5つの観点として、会場・日程・形式・修了評価・再受講をカードで横に並べ、それぞれ確かめる場所を添えた図解

会場と日程は「休めない日」から考える

例えば、平日は介護施設で働きながら土日に講習を受ける場合、連続した平日の講習は選べませんよね。

逆に、仕事を辞めて次の職場が決まっている人なら、平日に続けて受ける日程のほうが早く終わることもあります。講習の日数や期間は、事業者によって違います。

日程の探し方は福祉用具専門相談員の講習日程の探し方で、逆算のしかたと一緒に紹介しています。

形式は「演習をどう受けるか」まで見る

厚生労働省は令和5年12月の事務連絡で、指定講習の受講や手続きをオンラインで行うことは差し支えないとしています。

ただ、オンラインの具体的な形は事業者ごとに違います。全部を家で受けられるのか、演習だけ会場に行くのかは、案内で確かめてみてください。

通学との違いは福祉用具専門相談員の講習はオンラインで受けられる?で詳しく比べています。

修了評価と再受講は、申し込む前に聞いておく

講習事業者は、講習期間や講師、修了評価の実施方法、欠席した場合の取扱い、受講料などを運営規程で定めて公開することになっています。

つまり、つまずいた時の扱いは事前に確かめられるんです。申し込みの電話やメールで、こんなふうに聞いてみてください。

「1日だけ休んだ場合、どこで不足分を受けられますか?」
「修了評価で到達目標に届かなかった時は、補講になりますか?」

よくある失敗

受講料の安さや日程だけで決めて、欠席した時の扱いを確かめていなかった、というケースです。振替の会場が遠かったり、補講に別の費用がかかったりすることもあります。

状況別に、どの観点を優先する?

5つ全部を同じ重さで比べると、かえって決められなくなりますよね。今の自分の状況から、先に見る観点を決めてしまうのがおすすめです。

今の状況先に見る観点確かめたいこと
平日はフルタイムで働いている日程・形式土日や夜の回があるか、家で受けられる回があるか
近くに会場が少ない地域に住んでいる会場・形式オンラインの範囲と、会場に行く日が何日あるか
子育てや介護で急な休みが入りやすい再受講欠席した回をどこでいつ受け直せるか
勉強から長く離れていて試験が不安修了評価修了評価のやり方と、補講の有無
入社日が決まっていて急いでいる日程講習期間の最終日と修了証明書が出る時期

例えば入社日が決まっている人なら、講習の最終日だけでなく、修了証明書がいつ手元に届くかまで聞いておくと安心です。

講習を受ける前に知っておきたいこと

受講資格の制限は法令に見当たらない

施行令や国の通知には、受講する人の資格・年齢・学歴を制限する決まりは見当たりません。介護未経験の人も想定した講習です。ただし募集の条件は、講習事業者ごとに確かめておきましょう。

『介護の仕事をしたことが無いけど、講習についていけるかな』と不安になる方もいますよね。

平成27年に講習を見直した時、国は介護分野の知識や技術を持たない受講者を想定して、最低限の内容を網羅的に学べるようにしたと説明しています。未経験から始める人がいる前提なんです。

詳しい条件は福祉用具専門相談員の受講資格で確かめられます。

欠席した時の扱いは都道府県と事業者で違う

講習の一部を休んだ時の扱いは、都道府県の要綱や事業者の決まりで違います。

例えば鳥取県の要綱では、やむを得ない事情で一部を休んだ人の扱いが決められています。1年以内に同じ指定講習事業者の講習で不足分を受け、基準を満たせば修了扱いにできるという内容です。ほかの地域でも同じとは限らないので、受ける講習会の決まりを見ておきましょう。

講習会の運営にも国の基準がある

指定講習には、講習会の開き方にも国の基準があります。

国の基準中身
開催回数年1回以上開く
講師の人数1つの講習につき講師3名以上
演習の人数講師1名につき受講者がおおむね50名を超えない程度
もしもの備え代わりの講師と予備日を準備しておく
講師の経歴医師以外は実務経験や教員歴などがおおむね5年以上

演習で講師1名あたりの人数に目安があるのは、受講者が実際に手を動かして学ぶ時間を大事にしているからです。

講習の日程・形式・受講料は、事業者や時期で変わります。最新の情報は、お住まいの都道府県や講習事業者の公式サイトで確認してみてください。

受講料について

受講料は国が決めた金額は無く、各講習事業者が運営規程で定めて公開しています。比べる時は、教材費や補講の費用まで含まれているかも見ておくと安心です。費用の見方は資格取得にかかる費用で紹介しています。

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福祉用具専門相談員の講習でよくある相談

相談の選び方

講習を受ける前と受けている途中によく出る相談から、指定講習の仕組みに関わるものを選んで要約しました。

講習で取った資格は、福祉用具の仕事以外では役に立たない?

福祉用具専門相談員指定講習会の修了は、福祉用具専門相談員の仕事のほかには関係ないのか、という相談です。

資格としての効き目は、介護保険の福祉用具貸与や特定福祉用具販売の事業所で、福祉用具専門相談員として働けることです。ほかの職種に就くための要件にはなりません。

ただ、講習で学ぶ中身は、介護保険の仕組み、からだとこころの理解、住環境と住宅改修など幅広い内容です。介護の現場で家族から用具の相談を受けた時にも、知っている言葉が増えているはずです。

最後の試験に落ちたらどうなる?

講習の最後の修了評価で点数が悪かった人はいるのか、また来年受け直しになるのか、という相談です。

国の通知では、修得が十分でない場合、事業者は必要に応じて補講などを行い、到達目標に達するよう努めるとされています。いきなり受け直しになるとは限りません。

どんな補講や再評価があるかは、事業者の運営規程で決まっています。不安な方は、申し込む前に「修了評価の実施方法」と「補講」の欄を見ておくと落ち着いて受けられますよ。

何年も前に修了した講習でも、資格は有効?

数年前に講習を修了したけれど、今も有効なのか、そのまま働けるのか、という相談です。

介護保険法施行令や国の通知には、講習修了の有効期限や更新の手続きは見当たりません。修了証明書の様式にも、有効期限の欄はありません。

ただ、働く時には自己研鑽の努力義務があり、事業者には研修の機会をつくる義務があります。しばらく離れていた方は、資格の更新と学び直しも読んでみてください。

よくある質問

福祉用具専門相談員の講習はどこで受けられますか?

都道府県知事が指定した講習事業者が開く指定講習で受けられます。都道府県の公式サイトに、指定講習事業者の一覧や開講予定が載っていることがあります。

福祉用具専門相談員の指定講習は何時間ですか?

令和7年4月からの新カリキュラムで53時間です。別に、筆記による修了評価が1時間程度あります。

住んでいる県以外の講習会でも資格は取れますか?

指定講習であれば取れます。指定は事業所の所在地の都道府県が行い、別の都道府県で講習を開く場合も開催地で別に指定を受ける必要はありません。

指定講習はオンラインで受けられますか?

国はオンラインでの受講や手続きを差し支えないとしています。全部を家で受けられるか、演習だけ会場で受けるかは事業者ごとに違うので、案内で確かめてください。

看護師や介護福祉士でも講習を受けたほうがいいですか?

看護師や介護福祉士など8つの国家資格を持っていれば、講習を受けなくても福祉用具専門相談員になれます。福祉用具の知識を深めたい時に受けるかどうかを考えるとよいでしょう。

まとめ

この記事の要点
  • 資格の要件になるのは、都道府県知事が指定した事業者の指定講習だけ
  • 講座・講習会など呼び名は違っても、指定を受けているかで判断する
  • 指定かどうかは、案内の文言と都道府県の一覧で確かめる
  • 今から受ける指定講習は53時間で、別に筆記の修了評価が1時間程度ある
  • 講習会は会場・日程・形式・修了評価・再受講の5つで比べる
  • 欠席や補講の扱いは事業者の運営規程で確かめておく
  • 最新の日程や受講料は、都道府県や講習事業者の公式サイトで確認を
福祉用具専門相談員ガイド

福祉用具専門相談員ガイド 編集部

福祉用具専門相談員とは何か、資格の取り方と指定講習・修了評価、講習なしでなれる国家資格、仕事内容と職場、求人の探し方までを、これから目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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