福祉用具専門相談員の講習はオンラインで受けられる?通学との違い

福祉用具専門相談員の講習をオンラインで受けられるか、通学との違いを解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が厚生労働省や都道府県などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。指定講習の内容や日程、受講料、介護保険の制度は都道府県や講習事業者、時期によって変わることがあるため、最新の情報はお住まいの都道府県や講習を行う事業者、厚生労働省の公式サイトで確認してください。

福祉用具専門相談員の講習をオンラインで受けられたら、仕事や家のことと両立しやすいですよね。でも、実技もある講習が本当に画面越しで済むのか、気になる方も多いはずです。

結論から言うと、福祉用具専門相談員の指定講習はオンラインで受けることが認められています。ただ、全部オンラインか、一部だけ通学かは講習ごとに違います。

この記事を読むと、オンラインと通学の違い、Zoomで受ける前の準備、申し込む前に確かめることが分かります。

目次

福祉用具専門相談員の講習はオンラインで受けられる?

先に結論

厚生労働省は、指定講習の受講も、申し込みや修了証の発行などの手続きも、ICTを使ってオンラインで行って差し支えないとしています。ただ、どんな形のオンラインにするかは講習事業者ごとに決めています。

『オンラインで取った資格って、通学で取った資格と同じ扱いなの?』と心配になる方もいますよね。

福祉用具専門相談員になる要件は、都道府県知事が指定した講習事業者の指定講習を修了し、修了証明書を受け取ることです。受け方がオンラインでも通学でも、指定講習を修了したことに変わりはないんです。

国がオンラインを認めた事務連絡

根拠になるのは、厚生労働省老健局高齢者支援課が令和5年12月21日に出した事務連絡です。

その中で、講習の受講はもとより、受講の申し込みや修了証の発行などの手続きも、オンラインで実施して差し支えないとされました。あわせて、都道府県にはオンラインで受けられる環境を整えるよう依頼しています。

原文は厚生労働省の事務連絡(オンラインの活用について)で読めます。

新しいカリキュラムでもオンラインが前提に入っている

令和7年4月からの新しいカリキュラムでは、国が講習の指導要領も作りました。その指導要領は、演習の進め方や到達目標とあわせて、オンライン形式での進め方にも目を向けて作られています。

つまり、オンラインは「例外的に許されている受け方」ではありません。講習の作り手側も、オンラインで教えることを想定して準備が進んでいるんです。

沖縄県のように、県の案内ページで「オンライン受講が可能です」と書いている例もあります。

よく聞く疑問答え
オンラインで修了しても資格の要件を満たす?指定講習を修了して修了証明書を受け取れば満たす
申し込みや修了証の受け取りもオンラインでできる?国は差し支えないとしている。実際の方法は事業者ごと
オンラインのやり方は全国で決まっている?一律に決めた公的資料は確認できない。事業者に確認する
講習の時間はオンラインだと短くなる?短くならない。現行は53時間+修了評価1時間程度

講習の全体像を先に知りたい方は、福祉用具専門相談員の指定講習とはもあわせて読んでみてください。

全部オンライン・一部オンライン・全部通学の3つの型

型は3つに分けて考えると選びやすい

福祉用具専門相談員のオンライン講習と一口に言っても、すべて画面越しで終わる型、講義だけオンラインで演習は会場の型、すべて会場に通う型があります。自分の生活に合うのはどれかを先に決めておきましょう。

『オンライン対応って書いてあったから申し込んだのに、会場に行く日もあった』という声は珍しくありません。

講習の案内に「オンライン」「Web」「Zoom」とあっても、どこまでオンラインなのかは書き方がまちまちです。この記事では、次の3つの型に分けて考えます。

比べる点全部オンライン一部オンライン+通学全部通学
講義の受け方自宅などから画面越し自宅などから画面越し会場で対面
演習の受け方画面越しでグループ演習など会場で用具に触れて行う会場で用具に触れて行う
移動の負担ほぼ無い演習の日だけある毎回ある
用具に直接触れる機会少ない演習の日にある多い
準備するものパソコン、カメラ、通信環境、静かな部屋左に加えて会場までの交通会場までの交通
向いている人近くに会場が無い、移動の時間が取れない移動は減らしたいが実物にも触れたい画面での学習が苦手、仲間と学びたい
福祉用具専門相談員の講習の受け方を、全部オンライン・一部オンライン+通学・全部通学の3つの型で、講義・演習・移動・用具に触れる機会を並べて比べた図解

全部オンラインの型

講義も演習も、修了評価まで画面越しで行う型です。近くに講習会場が無い地域の方や、移動の時間が取れない方には大きな助けになります。

演習は、画面越しのグループワークや、講師が用具を使ってみせる形で進むことが多いです。ただ、具体的な進め方は事業者ごとに違うので、案内で確かめておきましょう。

一部オンライン+通学の型

講義はオンライン、演習の日だけ会場に通う型です。移動を減らしながら、車いすや特殊寝台に実際に触れる時間も持てます。

通う日数が少ない分、その日を休めるかどうかが大事になります。会場までの距離と、演習の日の曜日を先に見ておくと安心です。

全部通学の型

すべての講義と演習を会場で受ける型です。講師にその場で質問しやすく、ほかの受講者と顔を合わせて学べます。

画面を見続けるのが苦手な方や、家に集中できる場所が無い方には、こちらのほうが合うこともあります。

オンラインの良いところ
  • 移動の時間と交通費の負担が減る
  • 近くに会場が無くても受けられる
  • 家の用事の合間でも受けやすい
オンラインで気をつけたいところ
  • 通信や機材の準備が自分の側に要る
  • 用具に直接触れる時間が少なくなりやすい
  • 家だと集中が途切れやすい

演習(実技)は通学になりやすい?53時間のうち手を動かす科目

演習を含む小項目は53時間の半分以上

現行の指定講習53時間のうち、講義と演習をあわせて行う小項目は計33.5時間あります。用具に触れて手を動かす部分をどう受けるかで、オンラインの向き不向きが変わります。

『実技もある講習なのに、オンラインで大丈夫なの?』という疑問はとても自然です。

令和7年4月からのカリキュラムでは、講義に加えて演習をあわせて行う時間が増えました。旧カリキュラムの話は講習内容とカリキュラムに任せて、ここでは今の科目を見ていきます。

小項目区分時間画面越しでの受けやすさの目安
介護技術講義・演習4時間体の動かし方を見て学ぶ部分は画面でも追える。実際の介助は会場向き
住環境と住宅改修講義・演習2時間図面や写真を使う演習は画面でも進めやすい
福祉用具の特徴講義・演習8時間用具の種類を知る部分は画面でも可。触って確かめる部分は会場向き
福祉用具の活用講義・演習8時間調整や使い方を体で覚える部分は会場向き
安全利用とリスクマネジメント講義・演習1.5時間事例をもとに話し合う形なら画面でも進めやすい
支援プロセスの理解・貸与計画等の作成と活用講義・演習10時間事例で計画を作る演習やロールプレイは画面でも進めやすい

この表の「受けやすさ」は、内容から見た目安です。実際にどの部分を会場で行うかは講習事業者が決めます。

用具に触れる演習が会場になりやすい理由

福祉用具の活用では、利用者の体に合わせて用具を調整したり、使い方を説明したりする力を身につけます。

例えば、車いすのブレーキやフットサポートの位置を確かめる、特殊寝台の背上げを操作してみる、という場面です。こうした部分は、自分の手で触れてみると覚え方がまるで違いますよね。

そのため、講義はオンライン、用具に触れる演習は会場、という組み方が生まれやすいんです。

画面越しでも進めやすい演習もある

一方で、支援プロセスと貸与計画の作成は10時間あり、事例を使った総合演習が中心です。

利用者や家族、サービス担当者会議での説明をロールプレイで練習する場面もあります。これは画面越しでも、少人数のグループに分かれて進められる内容です。

補足

演習の講師1名あたりの受講者は、おおむね50名を超えない程度と国の通知で決まっています。オンラインでもこの基準の考え方は変わらないので、少人数のグループに分けて進める講習が多いと考えられます。

Zoomで受ける前の準備チェック

準備は「つながる・映る・聞こえる・本人と分かる」の4つ

福祉用具専門相談員の講習をZoomなどの同時双方向で受けるなら、通信、カメラ、音声、本人確認の4つを前日までに確かめておきましょう。当日の接続トラブルは、そのまま受講時間の不足につながります。

オンライン講習は、通う手間が無い分、受ける場所と機材は自分で用意します。

『家のWi-Fiで何時間も持つかな』『カメラはずっと付けっぱなし?』と、始める前は不安なことが多いですよね。事業者の案内に書いてある条件を軸に、次のリストで準備してみてください。

通信と機材のチェック
  • 長時間の映像通話に耐える通信環境か、事前の接続テストで確かめる
  • パソコンかタブレットを用意し、スマホだけで受けてよいかを事業者に確認する
  • カメラが顔を映せる位置に置けるか、明るさは足りるかを見ておく
  • マイクとイヤホンで、自分の声が相手にはっきり届くか試す
  • 長時間の受講に備えて、電源につないだまま使えるようにする
  • Zoomなど指定のアプリを入れ、最新の状態にしておく
受ける場所と本人確認のチェック
  • 家族の声や生活音が入りにくい部屋を決めておく
  • 受講中はカメラをオンにしておく決まりがあるかを確かめる
  • 本人確認の方法(身分証を画面に映すなど)を事前に聞いておく
  • 出欠の確認のしかた(ログの記録、点呼など)を把握しておく
  • テキストや配布資料を、画面とは別に手元に置けるようにする
Zoomで福祉用具専門相談員の講習を受ける前に、通信・カメラ・音声・本人確認の4つを確かめる準備を並べた図解

回線が切れた時の扱いは先に聞いておく

指定講習は、決められた時間を受けて修了するものです。通信が途切れて受けられなかった時間がどう扱われるかは、事業者ごとに違います。

「回線が切れて30分ほど入れなかった時は、どうなりますか?」
「その時間は後日の補講で受けてもらいます」

こんなふうに、申し込む前に一往復だけでも聞いておくと安心です。

長時間の画面に疲れない工夫

講習は1日に何時間も続くことがあります。休憩のたびに立ち上がる、目を休める、といった小さな工夫が後半の集中力を左右します。

画面の下にメモ用のノートを置いておくと、講師の話を書き留めやすくなります。用具の名前や種目は、文字で書くと記憶に残りやすいですよ。

よくある失敗

受講当日に初めてアプリを開き、更新や設定に時間を取られて開始に遅れることです。前日までに一度、接続テストをしておきましょう。

オンライン講習を選ぶ時に確かめること

申し込む前に5つを確かめる

指定講習であること、オンラインの範囲、修了評価の受け方、欠席や接続トラブルの扱い、日程の組み方の5つです。福祉用具専門相談員の資格をオンラインで取るなら、ここを押さえておけば大きく迷いません。

講習事業者は、運営規程を定めて公開することになっています。講習期間、講習課程、修了評価の実施方法、欠席した場合の取扱い、受講手続き、受講料などの費用が、そこで明らかにされます。

つまり、気になることの多くは、事業者の案内や運営規程で確かめられるんです。

オンライン講習を選ぶ手順
  1. 案内に「福祉用具専門相談員指定講習」とあり、指定した都道府県が書かれているか見る
  2. 講義・演習・修了評価のうち、どこまでがオンラインかを確かめる
  3. 会場に行く日がある場合は、その場所と曜日を確かめる
  4. 修了評価の受け方(会場か画面越しか、何で書くか)を確かめる
  5. 欠席や接続トラブルの時の補講・振替の扱いを確かめる
  6. 受講料(補講などを含む)と申し込みの締め切りを確かめる

指定講習会がオンラインでも「指定」の確かめ方は同じ

オンラインの講習でも、指定講習会かどうかの確かめ方は通学と変わりません。

指定は、事業所の所在地を管轄する都道府県が事業所ごとに行います。所在地以外の都道府県で講習を開く場合でも、開催地の都道府県で改めて指定を受ける必要はないとされています。

画面越しで全国から受けられる講習なら、どの都道府県の指定かを確かめておきましょう。

修了評価はどこで受ける?

すべての科目が終わると、筆記の方法で1時間程度の修了評価があります。この時間は、53時間には含まれません。

修了評価を会場で受けるのか、画面越しで受けるのかは、講習ごとに違います。画面越しの場合は、カメラの映し方や手元の資料の扱いに決まりがあることも。

「修了評価の日は、会場に行く必要がありますか?」
「この講習は画面越しです。カメラで手元が映るようにしてください」

こうした一往復を申し込みの時に済ませておくと、最終日に慌てずに済みますよ。

修了評価の中身や難しさは修了評価の内容と対策で詳しく見ています。

欠席の扱いは都道府県と事業者で違う

やむを得ず講習の一部を受けられなかった時の扱いは、一律ではありません。

例えば鳥取県の要綱では、1年以内に同じ指定講習事業者の講習で足りない分を受け、基準を満たせば修了扱いにしてよいとしています。ただ、これは一つの県の例です。

オンラインの日程は自分で組める部分が多い分、振替の条件も先に聞いておくと安心ですね。日程や受講料は変わることがあるので、最新はお住まいの都道府県や講習事業者の公式サイトで確認してみてください。

オンラインと日程の組み合わせ

オンラインの講習は、平日の夜や土日に講義を入れているものもあります。働きながら受けたい方は、土日で受ける時の日程の組み方も参考になります。

できるだけ早く修了したい方は、最短で取る時の講習の選び方で、短期集中型の考え方を確かめてみてください。

自分の状況まず選びたい型合わせて確かめたいこと
近くに講習会場が無い全部オンライン演習をどう進めるか、修了評価の受け方
平日は仕事、土日は空く一部オンライン+通学演習の日が土日にあるか
シフト勤務で曜日が読めない全部オンライン欠席時の振替の条件
家に集中できる場所が無い全部通学会場までの距離と日数
未経験で用具に触れたことが無い一部オンライン+通学用具に触れる演習の時間

講習を出しているスクールの比べ方は、講習スクールの選び方でまとめています。

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オンライン受講でよくある相談

相談の多くは「実技」「最後の試験」「地方での受講」

福祉用具専門相談員のオンライン講習について寄せられる相談は、だいたいこの3つに集まります。どれも、申し込む前に事業者へ確かめておけば解決しやすい内容です。

実際によくある相談を、要点だけまとめて答えていきます。

実技もある講習を、オンラインで受けて大丈夫?

「講習には実技もあると聞いたけれど、オンラインで受けた人はどうしていたのか」という相談です。

答えは、講習によって演習の進め方が違う、です。画面越しのグループ演習で進める講習もあれば、演習の日だけ会場に通う講習もあります。

用具に触れる時間がどれくらいあるかは、案内のカリキュラム表や日程表で確かめられます。触れる時間が少ないと感じたら、働き始めてから職場で覚える部分も出てきます。

最終日の筆記テストが不安

「オンライン講習の最終日に筆記のテストがあるけれど、どんな感じなのか」という相談もよく見かけます。

修了評価は、福祉用具専門相談員の入口の講習という位置付けです。国の通知では「列挙できる」「概説できる」レベルを想定しているとされています。

講習の中で学んだことを、落ち着いて書ければ大丈夫な内容です。到達目標に届かなかった時は、必要に応じて補講などが行われます。

地方に住んでいて、通える会場が無い

「会社から資格を取るように言われたけれど、田舎で近くに講習会場が無い」という相談です。

こういう時こそ、全部オンラインの型が役に立ちます。所在地が別の都道府県の事業者でも、指定講習であれば修了証明書は有効です。

会社から言われて受ける場合は、受講の時間を勤務として扱うか、費用をどうするかを職場と話しておくと後でもめません。

相談の中身まず確かめること確かめる先
実技が画面越しで足りるか演習の進め方と会場の日の有無講習の案内、カリキュラム表
最終日の筆記が不安修了評価の形式と補講の有無運営規程、事業者への問い合わせ
近くに会場が無い全部オンラインの講習があるか都道府県のページ、事業者の案内

よくある質問

福祉用具専門相談員の資格はオンラインだけで取れますか?

講義から修了評価まで画面越しで行う指定講習もあります。ただ、演習の日だけ会場に通う講習もあるので、どこまでオンラインかを案内で確かめてみてください。

オンラインで修了した資格は、通学と扱いが違いますか?

違いません。指定講習の課程を修了して修了証明書を受け取れば、受け方にかかわらず資格の要件を満たします。

スマホだけで受講できますか?

事業者によって違います。長時間の受講や資料の表示を考えて、パソコンやタブレットを求める講習もあるので、申し込む前に確認しておきましょう。

録画を見る形でも受けられますか?

録画を見る形が使えるかどうかを全国一律に決めた公的資料は確認できませんでした。講習ごとに違うので、事業者の案内で確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 福祉用具専門相談員の指定講習は、受講も手続きもオンラインで行ってよいと国が示している
  • オンライン講習は「全部オンライン」「一部オンライン+通学」「全部通学」の3つの型で考える
  • 用具に触れる演習は会場、事例を使う演習は画面越し、という組み方が生まれやすい
  • Zoomで受けるなら、通信・カメラ・音声・本人確認を前日までに確かめる
  • 修了評価の受け方と、欠席や接続トラブル時の扱いは申し込む前に聞いておく
福祉用具専門相談員ガイド

福祉用具専門相談員ガイド 編集部

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