福祉用具専門相談員の講習内容|53時間のカリキュラムと科目

福祉用具専門相談員の講習内容を、53時間のカリキュラムと科目ごとに解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が厚生労働省や都道府県などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。指定講習の内容や日程、受講料、介護保険の制度は都道府県や講習事業者、時期によって変わることがあるため、最新の情報はお住まいの都道府県や講習を行う事業者、厚生労働省の公式サイトで確認してください。

福祉用具専門相談員の講習に申し込もうと思っても、53時間で何を学ぶのか、自分についていけるのかが見えないと不安ですよね。

結論から言うと、福祉用具専門相談員の講習内容は5科目・53時間で、制度、からだと生活、用具の知識、計画づくりの4つのまとまりで見ると分かりやすくなります。最後に筆記の修了評価が1時間程度あります。

この記事を読むと、科目ごとの時間と中身、それが現場のどの仕事につながるか、講習前に知っておくと楽な言葉が分かります。

目次

福祉用具専門相談員の講習内容は5科目・53時間

先に結論

令和7年4月から、指定講習は53時間の新しいカリキュラムです。5つの科目に分かれていて、講義だけの時間と、講義と演習を組み合わせた時間があります。修了評価の1時間程度は53時間とは別です。

『53時間もあるなら、難しい専門の話ばかりなのかな』と身構える方もいるかもしれません。

実は、指定講習は介護分野の知識や技術を持たない人も受けることを想定して作られているんです。制度の入り口から始まって、最後に計画書を作る練習までを順番に積み上げていきます。

国が決めた科目と時間は、次のとおりです。都道府県の案内にも、同じ科目と時間が載っています。

科目小項目と区分時間
1 福祉用具と福祉用具専門相談員の役割福祉用具の役割【講義】1時間、福祉用具専門相談員の役割と職業倫理【講義】1時間2時間
2 介護保険制度等に関する基礎知識介護保険制度等の考え方と仕組み【講義】2時間、介護サービスにおける視点【講義】2時間4時間
3 高齢者と介護・医療に関する基礎知識からだとこころの理解【講義】6.5時間、リハビリテーション【講義】2時間、高齢者の日常生活の理解【講義】2時間、介護技術【講義・演習】4時間、住環境と住宅改修【講義・演習】2時間16.5時間
4 個別の福祉用具に関する知識・技術福祉用具の特徴【講義・演習】8時間、福祉用具の活用【講義・演習】8時間、福祉用具の安全利用とリスクマネジメント【講義・演習】1.5時間17.5時間
5 サービスの仕組みと利用の支援、総合演習福祉用具の供給とサービスの仕組み【講義】3時間、支援プロセスの理解と福祉用具貸与計画等の作成と活用【講義・演習】10時間13時間
合計53時間

時間が長いのは、科目3のからだと生活の話と、科目4の福祉用具そのものの話です。この2つで53時間の6割以上を占めています。

科目ごとに何を学ぶ?

国は科目ごとに「目的・到達目標・内容の指針」を出しています。その中から、主な中身を短く紹介しますね。

  • 福祉用具の役割:介護保険などでの福祉用具の定義と種類、暮らしの動作の改善や介護負担の軽減
  • 役割と職業倫理:事業所の基準、守秘義務や説明責任、利用者本位、自己研鑽の努力義務
  • 介護サービスにおける視点:人権と尊厳、虐待防止、身体拘束の禁止、ケアマネジメントの手順、多職種連携
  • からだとこころの理解:加齢による心身の変化、認知症の理解と対応、感染症と対策
  • 福祉用具の特徴:起き上がり・移乗・移動・床ずれ防止・排泄・入浴などの用具、テクノロジーを使った用具
  • 安全利用とリスクマネジメント:重大事故の報告、ヒヤリハット情報の集め方、危険の予知
  • 供給とサービスの仕組み:貸与と販売の流れ、複数商品の提示、選択制の対象種目への対応、消毒と保守点検
  • 支援プロセスと計画:アセスメントからモニタリングまでの手順、事例を使った総合演習

講義と演習の違い

【講義】は、講師の説明を聞いて知識を入れる時間です。【講義・演習】は、説明のあとに手を動かしたり、話し合ったりする時間が入ります。

例えば介護技術の演習では、ベッドから車いすへの移り方を受講者同士で試すような場面が考えられます。具体的な進め方は講習事業者によって違うので、案内で確かめてみてください。

講習内容を4つのまとまりで見ると分かりやすい

4つに分けると、53時間の流れが見える

5科目の小項目を並べ替えると、「制度と役割」「からだと生活」「用具の知識」「計画づくりと総合演習」の4つにまとまります。この順で、土台から仕上げへと進むイメージです。

科目の名前だけ見ても、何がどうつながるのか分かりにくいですよね。

そこでこの記事では、小項目を4つのまとまりに並べ替えてみました。時間の合計も、そのまま53時間になります。

まとまり入る小項目時間ひとことで言うと
制度と役割福祉用具の役割、役割と職業倫理、介護保険制度、介護サービスにおける視点、供給とサービスの仕組み9時間仕事のルールを知る
からだと生活からだとこころの理解、リハビリテーション、日常生活の理解、介護技術、住環境と住宅改修16.5時間使う人の暮らしを知る
用具の知識福祉用具の特徴、福祉用具の活用、安全利用とリスクマネジメント17.5時間道具を知って安全に使う
計画づくりと総合演習支援プロセスの理解と福祉用具貸与計画等の作成と活用10時間全部を使って計画を作る
53時間の講習内容を、制度と役割9時間・からだと生活16.5時間・用具の知識17.5時間・計画づくりと総合演習10時間の4つのまとまりで積み上げた図解

最後の10時間が、講習の仕上げ

計画づくりと総合演習の10時間は、それまで学んだことを全部使う時間です。

アセスメント、利用目標の設定、用具の選定、計画の作成と交付、使い方の説明、モニタリングと記録の交付という順で、事例を使って練習します。サービス担当者会議で計画を説明する場面のロールプレイも、指針に入っています。

『人前で説明するのは苦手…』という方もいますよね。ただ、ロールプレイは講習の中での練習です。うまく話すことより、計画の中身を自分の言葉で言えるかを意識してみてください。

まとまりごとに、聞き方を変えてみる

53時間を同じ集中力で聞き続けるのは、正直しんどいですよね。まとまりごとに「何を持ち帰るか」を決めておくと、メリハリがつきます。

まとまり講義中に意識したいこと持ち帰りたいもの
制度と役割誰が何を決めるのか、どの順番で進むのか貸与と販売の違い、ケアマネジャーとの役割分担
からだと生活加齢でどんな動作がしにくくなるか起き上がりや移乗の場面のイメージ
用具の知識用具の名前と、どんな困りごとに使うか種目ごとの使いどころと注意点
計画づくりと総合演習目標と用具の選び方がつながっているか計画書の書き方の型

例えば制度の講義では、用語を丸ごと覚えるより「この手続きは誰がするのか」を追うと、後の計画づくりで迷いにくくなります。

講習内容は現場のどの仕事に効く?

講習で学ぶことは、そのまま現場の手順になっている

福祉用具専門相談員の仕事は、相談、選定、計画、調整と説明、点検、モニタリングと続きます。講習の4つのまとまりは、この仕事の流れにそれぞれ対応しています。

『講習で習ったことって、実際の仕事で使うの?』という疑問はもっともです。

国の基準には、福祉用具専門相談員がすることが書かれています。その仕事と講習内容を並べると、つながりがよく分かります。

現場の仕事基準に書かれていること効いてくるまとまり
相談と情報提供機能・使い方・利用料・全国平均貸与価格などを文書で示し、同じ種目で機能や価格帯の違う複数の用具を紹介する制度と役割、用具の知識
用具の選定利用者の希望、心身の状態、住まいの環境を踏まえて選ぶからだと生活、用具の知識
計画の作成目標、サービスの内容、モニタリングの時期を書いた計画を作り、同意をもらって交付する計画づくりと総合演習
納品と調整身体の状態に合わせて調整し、使い方や注意点を書いた文書を渡して説明する用具の知識、からだと生活
点検機能・安全性・衛生状態を点検する用具の知識
モニタリング使い方を確かめ、結果を記録してケアマネジャーに届ける計画づくりと総合演習、制度と役割

例えば、手すりの位置を家族と相談する場面を考えてみましょう。住環境と住宅改修の科目で習った知識と、福祉用具の活用の科目で練習した説明が、そのまま役に立ちます。

選択制とモニタリングの話は、今の現場で特に大事

令和6年度の改定で、固定用スロープや歩行器(歩行車を除く)、単点杖、多点杖は、貸与と販売を選べるようになりました。福祉用具専門相談員は、メリットとデメリットを含めて十分説明することになっています。

あわせて、モニタリングの結果を記録してケアマネジャーに交付することも義務になりました。講習の「供給とサービスの仕組み」や計画の時間で、こうした新しいルールにも触れます。

納品の場面で、講習のどこが役に立つ?

例えば、歩行器を初めて使う方の家に届ける場面を考えてみましょう。高さを合わせ、使い方と注意点を書いた文書を渡して説明します。

「室内の段差は、ここで一度止まってから越えてくださいね」
「家族の方も、ブレーキの位置を一緒に確かめておきましょう」

こうした一言は、からだと生活のまとまりで学ぶ動作の理解と、用具の知識のまとまりで学ぶ使い方が合わさって出てくるものです。講習の演習は、この場面の練習でもあるんです。

現場の1日の流れは福祉用具専門相談員の仕事内容で詳しく紹介しています。講習の前に読んでおくと、科目の意味がつかみやすくなりますよ。

講習の4つのまとまりと、相談・選定・計画・納品と調整・点検・モニタリングの現場の仕事を線で結んだ対応図

令和7年の見直しで講習内容はどう変わった?

50時間から53時間へ、安全と演習が増えた

令和7年4月の見直しで、講習は50時間から53時間になりました。安全利用とリスクマネジメントの科目が加わり、演習を合わせて行う時間も増えています。

ネットで調べると「50時間」と「53時間」の両方が出てきて、どちらが正しいのか迷いますよね。

結論から言うと、今から受ける講習は53時間です。旧カリキュラムが使えたのは、令和8年3月31日までに終わる講習に限られていました。

時期合計時間主な特徴
平成27年3月まで40時間旧カリキュラム
平成27年4月から50時間と修了評価1時間程度計画の内容を追加、修了評価の仕組みを新設
令和7年4月から(今)53時間と修了評価1時間程度安全利用とリスクマネジメントを追加、演習の時間を増加

国はあわせて、講習の指導要領と動画も作りました。講習の質のばらつきを減らすためと説明されています。

新しく入った安全利用の科目では何を学ぶ?

安全利用とリスクマネジメントの1.5時間では、福祉用具を安全に使ってもらうための考え方を学びます。

指針に挙がっているのは、消費生活用製品安全法での重大事故の報告、ヒヤリハット情報の集め方、事業者の事故報告、危険の予知です。

例えば、ベッドの柵のすき間や車いすのブレーキのかけ忘れのように、「事故になりかけた」場面をどう集めて次に生かすか、という話です。納品の時の一言が変わってくる科目なんです。

古い教材を使う時の注意

知り合いから譲ってもらった古いテキストは、50時間の旧カリキュラムに沿っていることがあります。安全利用の科目や令和6年度の改定の話が入っていないこともあるので、講習で配られる教材を中心に学んでみてください。

講習前に予習しておくと楽になる用語

言葉を知っているだけで、講義が聞きやすくなる

講習内容そのものを先取りしなくても大丈夫です。講義によく出てくる言葉の意味を軽く知っておくだけで、説明が頭に入りやすくなります。

『予習って、どこまでやればいいの?』と迷う方もいますよね。

ここでは講習の指針や国の基準に出てくる言葉から、初めての人がつまずきやすいものを選びました。意味は講習で詳しく習うので、ここでは「聞いたことがある」状態を目指してみてください。

用語ざっくりした意味出てくるまとまり
アセスメント利用者の希望や心身の状態、住まいを把握すること計画づくり
ケアプランケアマネジャーが作る居宅サービス計画制度と役割
福祉用具貸与計画福祉用具専門相談員が作る、目標やサービス内容を書いた計画計画づくり
サービス担当者会議利用者に関わる職種が集まって支援を話し合う場制度と役割
モニタリング使い始めた後に使い方や状態を確かめること計画づくり
貸与と特定福祉用具販売福祉用具はレンタルが基本で、入浴や排泄の用具などは販売になる制度と役割
選択制一部の用具を、貸与か販売かから選べるしくみ制度と役割
軽度者の例外給付要支援や要介護1の人は原則対象外の用具でも、条件に当たれば給付される扱い制度と役割
住宅改修手すりの取付けや段差の解消など、介護保険で行う家の改修からだと生活
ヒヤリハット事故にはならなかったが、危なかった場面用具の知識
予習の進め方
  • 上の用語を声に出して読み、意味を一言で言えるようにする
  • 貸与の対象13種目の名前をざっと眺めておく
  • 自宅の玄関や浴室の段差、手すりの位置を見てみる
  • 講習の日程表を見て、科目の順番を確かめておく

貸与の13種目は福祉用具専門相談員が扱う福祉用具で一覧にしています。教材の選び方や勉強のしかたは福祉用具専門相談員のテキストと教材も参考になります。

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講習内容についてよくある相談

相談の選び方

講習内容と予習について、これから受ける人がよく持つ相談を選んで要約しました。

予習の範囲は、福祉住環境コーディネーターの勉強でいい?

講習の前に予習したいが、福祉住環境コーディネーターの内容を勉強すればいいのか、という相談です。

住環境と住宅改修の科目では重なる部分もあります。ただ、指定講習は介護保険の制度、からだと生活、福祉用具、計画づくりまで幅広く扱うので、範囲は一致しません。

講習は未経験の人も想定した中身です。予習は上の用語リストくらいに留めて、講習本番の内容をしっかり聞くほうが効率がいいはずです。

例えば、こんなふうに考えると予習の量を決めやすくなります。

  • 住まいの段差や手すりに興味がある人は、住環境の言葉を少し先に見ておく
  • 介護保険の仕組みに自信が無い人は、ケアプランと貸与計画の関係だけ押さえておく
  • どちらも不安な人は、用語リストを1回眺めるだけでも十分

講習で学ぶのは福祉用具の知識だけ?

指定講習で学ぶのは福祉用具の知識が中心なのか、試験もそこから出るのか、という相談です。

時間が一番長いのは用具の知識の17.5時間ですが、からだと生活も16.5時間あります。制度と役割、計画づくりも合わせると、福祉用具以外の時間のほうが長いんです。

修了評価は、講習の到達目標に沿って全科目の修得度を見るものです。出題の傾向は福祉用具専門相談員の試験(修了評価)で詳しく見ています。

ホームヘルパー2級を持っていれば講習は要らない?

ホームヘルパー2級や初任者研修を持っているので、講習を受けなくても働けるのか迷っている、という相談です。

平成27年4月の改正で、ホームヘルパー2級にあたる2級課程や初任者研修の修了者は、福祉用具専門相談員の要件から外れました。経過措置も平成28年3月31日で終わっています。

今から福祉用具専門相談員として働くには、指定講習の修了か、介護福祉士などの国家資格が要ります。詳しくは初任者研修で福祉用具専門相談員になれる?で紹介しています。

よくある質問

福祉用具専門相談員の講習内容は何時間ですか?

令和7年4月からの新カリキュラムで、5科目・合計53時間です。別に、筆記の修了評価が1時間程度あります。

講習内容に実技はありますか?

介護技術、住環境と住宅改修、福祉用具の特徴と活用、安全利用、計画づくりの小項目は講義と演習を組み合わせて行います。進め方は講習事業者によって違います。

介護の経験が無くても講習内容についていけますか?

指定講習は、介護分野の知識や技術を持たない受講者も想定して作られています。不安な方は、用語の意味を軽く予習しておくと講義が聞きやすくなります。

講習内容はどこで受けても同じですか?

科目と時間数は国の告示で決まっていて、どの指定講習でも同じです。講義の進め方や演習のやり方、教材は講習事業者によって違うので、案内で確かめてみてください。

50時間の講習を修了した人は受け直しが必要ですか?

令和8年3月31日までに終わった旧カリキュラムの講習は、経過措置で従前の例によるとされていました。修了の有効期限や更新の定めも見当たりません。新しい内容は、事業所の研修などで学び直していくとよいでしょう。

まとめ

この記事の要点
  • 福祉用具専門相談員の講習内容は5科目・53時間で、別に修了評価が1時間程度ある
  • 小項目を並べ替えると、制度と役割9時間、からだと生活16.5時間、用具の知識17.5時間、計画づくりと総合演習10時間
  • 講習の4つのまとまりは、相談・選定・計画・調整・点検・モニタリングの仕事に対応している
  • 令和7年4月の見直しで、安全利用とリスクマネジメントの科目が加わり演習が増えた
  • 予習は用語の意味をつかむ程度で十分
  • 最新の日程や進め方は、お住まいの都道府県や講習事業者の公式サイトで確認を
福祉用具専門相談員ガイド

福祉用具専門相談員ガイド 編集部

福祉用具専門相談員とは何か、資格の取り方と指定講習・修了評価、講習なしでなれる国家資格、仕事内容と職場、求人の探し方までを、これから目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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