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福祉用具専門相談員の求人を見つけたものの、「福祉用具の選定や助言」と書かれているだけで、実際に何をするのか分からないという方も多いはずです。
結論から言うと、福祉用具専門相談員の仕事内容は「相談・選定」「計画づくり」「納品と使い方の説明」「モニタリング」の4つの場面に分けられます。
この記事を読むと、それぞれの場面で誰と話し、どんな書類を書くのかが具体的にイメージできます。
福祉用具専門相談員の仕事内容は4つの場面で見ると分かりやすい
仕事は、自宅で話を聞いて用具を選ぶ、計画を作る、届けて使い方を伝える、使い始めてから見直す、の4場面が1つのサイクルです。どの場面にも「話す相手」と「書くもの」があります。
『福祉用具を運んで置いてくる仕事でしょ?』と思っている方もいますよね。
実は、運ぶのは4つの場面のうちの1つだけなんです。その前後で話を聞き、計画を書き、使い始めた後の様子を確かめるところまでが福祉用具専門相談員の仕事です。
場面ごとに、誰と話して何を書くのかを表にしてみました。
| 場面 | 主に話す相手 | やること | 書くもの・渡すもの |
|---|---|---|---|
| 1 相談・選定 | ケアマネジャー、本人、家族 | 自宅を訪ねて体の状態や住まいを聞き、複数の用具を示す | 目録などの説明資料、聞き取りのメモ |
| 2 計画づくり | 本人、家族、ケアマネジャー | 目標と使う用具、見直しの時期を決める | 福祉用具サービス計画(貸与計画・販売計画) |
| 3 納品・説明 | 本人、家族、介護職 | 点検した用具を届け、体に合わせて調整し、使い方を伝える | 使い方や注意点、故障時の連絡先を書いた書類 |
| 4 モニタリング | 本人、家族、ケアマネジャー | 使い心地や困りごとを確かめ、必要なら変更する | モニタリングの記録(ケアマネへ渡す) |

この4つは一度で終わらず、利用者さんの体や暮らしが変わるたびに回り続けます。福祉用具専門相談員という職種そのものの全体像は、福祉用具専門相談員とはで紹介しています。
仕事の中身は国の基準に書かれている
福祉用具専門相談員の仕事内容は、介護保険の運営基準にかなり具体的に書かれています。主なものを、日常の言葉に置きかえてみました。
- 目録などの書類を見せて、機能や使い方、利用料を説明し、同意をもらう
- 同じ種目で、機能や価格帯の違う用具を複数示す
- 貸し出す用具の機能や安全性、衛生状態を点検する
- 体に合わせて調整し、使い方の書類を渡して説明する
- 頼まれたら使い方を確かめ、必要なら指導や修理をする
『基準なんて現場ではあまり気にしないのでは?』と思うかもしれません。実は、どの職場でもこの基準に沿って仕事の手順が組まれているんです。
相談・選定と計画づくりでは何をする?
相談・選定の場面では、用具の話をする前に、本人がどんな暮らしをしたいのかを聞き取ります。その内容をもとに、目標と使う用具を計画に書きます。
仕事の入り口は、多くの場合ケアマネジャーからの相談です。「退院するので、ベッドと手すりを考えたい」といった連絡を受けて、利用者さんの自宅を訪ねます。
自宅で聞き取ること
訪問では、本人の体の状態だけでなく、部屋の広さや段差、家族の介護の様子まで見ていきます。
例えばこんなやりとりから始まります。
「夜中にトイレへ行く時、どこで一番ふらつきますか」
「ベッドから立ち上がる時ですね。つかまる所がなくて」
この一言から、ベッドの高さや手すりの位置、トイレまでの動線を考えていくんです。
- 本人がどんな暮らしを続けたいか、何に困っているかを聞く
- 寝起き、立ち上がり、歩く、トイレ、入浴の動きを見る
- 部屋の広さ、段差、ドアの幅、床の素材を測る
- 家族がどこまで介助しているか、どの時間帯に人がいるかを聞く
- ケアプランに書かれている目標と照らし合わせる
複数の用具を示して選んでもらう
介護保険の基準では、同じ種目で機能や価格帯の違う複数の用具の情報を出すことが決められています。目録などの書類で、機能や使い方、利用料、全国平均の貸与価格も説明します。
『一番いいのを1つ選んでくれれば…』と言われることもありますよね。ただ、比べて選べる状態にすることも、福祉用具専門相談員の大事な仕事なんです。
2024年4月からは、固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖を、借りるか買うかで選べるようになりました。この4つは、それぞれのメリットとデメリットを説明したうえで提案します。
扱う用具の種類は貸与13種目と販売の種目でまとめています。
要支援1・2と要介護1の人は、車いすや特殊寝台などが原則として介護保険の対象外です。例外的に認められる場合もあり、その手続きは市区町村ごとに違います。
福祉用具サービス計画を作る
用具が決まったら、福祉用具貸与計画を作ります。販売もある時は、販売計画と一体で作ります。
- ケアプランの目標に沿って、福祉用具で目指すことを書く
- 使う用具と、選んだ理由、使い方の注意を書く
- モニタリングをいつ行うかを書く
- 本人と家族に説明して、同意をもらう
- できあがった計画を本人と担当のケアマネジャーに渡す
ケアプランが既にある時は、その内容に沿って作るのが決まりです。書き方の詳しいポイントは福祉用具サービス計画とはで紹介しています。
家族への説明で気をつけたいこと
計画の説明は、本人だけでなく家族にもします。介助する人が使い方を分かっていないと、せっかくの用具が活かされません。
難しい言葉を使わず、「この手すりは、立ち上がる時にここを握ってもらうためのものです」のように、場面で伝えるのがコツです。
サービス担当者会議で計画を説明する
ケアマネジャーが開くサービス担当者会議には、福祉用具専門相談員も出席します。介護職や訪問看護、リハビリの担当者などと一緒に、本人の暮らしをどう支えるかを話し合う場です。
ここでは、なぜその用具を選んだのか、どんな目標で使うのかを説明します。指定講習でも、会議で計画を分かりやすく説明する練習を総合演習の中で行います。
納品とモニタリングでは何をする?
納品の場面では、点検した用具を体に合わせて調整し、実際に使ってもらいながら説明します。その後のモニタリングで、合っているかを確かめ続けます。
『届けたら終わり』ではないところが、この仕事の特徴です。ここからは、納品と使い始めてからの見直しを見ていきましょう。
納品の日にやること
用具を届ける前に、機能や安全性、衛生状態を点検します。レンタルの用具は、前の利用者さんが使った後に消毒や保守点検を済ませたものを届けます。
自宅では、ベッドの高さや車いすの座る位置などを、本人の体に合わせて調整します。使い方や注意点、故障した時の連絡先を書いた書類を渡して、実際に使ってもらいながら説明するのが基本です。
- 届ける用具の点検と消毒が済んでいるか確かめる
- 本人の体格や動きに合わせて高さや角度を調整する
- 本人と家族に、実際に使ってもらいながら説明する
- 使い方と注意点、故障時の連絡先を書いた書類を渡す
- 置き場所で通り道がふさがっていないか確かめる
モニタリングで確かめること
使い始めてからは、利用者さんの自宅を訪ねて、使い心地や困りごとを聞きます。国の調査では、自宅を訪ねて確かめる方法が一番多いとされています。
2024年度の改定から、モニタリングの時期を計画に書くこと、結果を記録してケアマネジャーに渡すことが決められました。借りるか買うかを選べる4品目を貸した場合は、使い始めてから6か月以内に少なくとも1回モニタリングします。
例えば訪問の時に、こんな話が出ることもあります。
「手すりは便利なんですが、ベッドの位置を変えたら少し遠くなって」
「では、手すりの位置を合わせ直しましょう。ケアマネさんにも伝えておきますね」
| モニタリングで見ること | 確かめ方の例 |
|---|---|
| 用具を使えているか | 実際に動いてもらい、ぎこちない所がないか見る |
| 体の状態の変化 | 本人や家族に、最近の様子を聞く |
| 住まいや介護の変化 | 家具の配置や、介助する人が変わっていないか聞く |
| 用具の傷みや故障 | ネジのゆるみやキャスターの動きを点検する |
| 目標に近づいているか | 計画に書いた目標と照らし合わせる |
「何かあったら連絡ください」で済ませてしまうと、小さな困りごとが見過ごされがちです。訪問の時に、こちらから具体的に聞いてみるのがコツです。
販売した用具のその後
入浴用のいすや腰掛便座のように、購入してもらう用具もあります。販売の場合も、特定福祉用具販売計画を作って本人に渡します。
借りるか買うかを選べる4品目を販売した時は、計画に書いた目標に近づいているかを確かめます。頼まれた時に使い方を確かめたり、修理などをしたりするよう努めることや、不具合があった時の連絡先を伝えることも求められています。
国は2024年度から、福祉用具の事故やヒヤリハットの情報をまとめて発信しています。新しい指定講習でも、安全利用とリスクマネジメントの科目が加わりました。
事務所・利用者宅・倉庫を回る1日の例
福祉用具専門相談員の1日は、事務所での書類づくり、利用者さんの自宅への訪問、倉庫での用具の準備を行き来します。どの順番で回るかは、その日の予定で変わります。
『1日中、外を走り回っているの?』と気になる方もいますよね。
実際には、外回りと事務仕事がまざった働き方になります。よくある流れを、場面ごとに並べてみました。
| 時間帯 | 場所 | やることの例 |
|---|---|---|
| 朝 | 事務所 | その日の訪問先の確認、ケアマネからの連絡のチェック |
| 午前 | 倉庫 | 届ける用具の点検、車への積み込み |
| 午前から昼 | 利用者さんの自宅 | 納品と使い方の説明、調整 |
| 午後 | 利用者さんの自宅 | 新しい相談の訪問、モニタリング |
| 夕方 | 事務所 | 計画書やモニタリング記録の作成、ケアマネへの連絡 |

サービス担当者会議がある日は、そこに出席して計画を説明します。退院の前に、病院でのカンファレンスに呼ばれることもあります。
時間の使い方をもう少し詳しく知りたい方は、福祉用具専門相談員の1日を読んでみてください。
事務所でする仕事の中身
事務所では、計画書やモニタリングの記録を書く時間が多くなります。記録はケアマネジャーに渡すものなので、読んで分かる書き方が求められます。
ほかにも、ケアマネとの電話やメールでのやりとり、次の訪問の予定づくり、倉庫にある用具の確認などがあります。外回りの日でも、夕方に事務所へ戻って記録をまとめる、という流れがよく見られます。
運転と力仕事はある?
多くの職場では、車で用具を運んで自宅を回ります。そのため、運転免許を条件にしている求人もあります。
ベッドなど大きな用具を運ぶ時は、2人で作業することもあります。体を使う場面はありますが、用具の扱い方は職場で覚えていくものです。
最初のうちは先輩の訪問に同行して、組み立てや調整のやり方を見て覚える職場が多いはずです。入社前に、同行の期間や研修の内容を聞いておくと安心ですね。
仕事内容から考える、働く職場の選び方
福祉用具専門相談員の仕事内容は、レンタル中心か販売中心か、担当する地域や件数によって変わります。求人票では「職場の種類」「資格の扱い」「運転の有無」の3つを先に見るのがおすすめです。
同じ「福祉用具専門相談員」の求人でも、ある職場は訪問が中心、別の職場は店頭での相談が多い、ということもあります。
『自分に合うかどうか、求人票だけで判断できるかな…』と迷いますよね。
- レンタルの事業所か、販売店か、メーカーかを確かめる
- 資格が応募の条件か、入社後に取れるかを見る
- 運転免許が必要か、社用車があるかを確かめる
- 研修や先輩との同行の期間があるかを見る
- 計画書や記録を書く時間がどう確保されているか聞く
仕事で覚えていくこと
働き始めると、制度、用具、体の理解の3つを少しずつ覚えていくことになります。指定講習の科目とも重なるので、講習で土台をつくってから現場で深めるイメージです。
| 覚えること | 中身の例 | 学ぶ場面 |
|---|---|---|
| 介護保険の仕組み | 貸与と販売の違い、借りられない用具がある人の扱い | 指定講習、職場の研修 |
| 用具の種類と特徴 | ベッド、車いす、歩行器、手すりなどの選び方 | 指定講習、メーカーの説明会、先輩との同行 |
| 体と暮らしの理解 | 年を重ねることによる体の変化、立ち上がりや移乗の介助 | 指定講習、訪問での経験 |
| 安全な使い方 | 事故やヒヤリハットの防ぎ方、点検の仕方 | 指定講習、職場の研修 |
基準でも、福祉用具専門相談員は自己研鑽に努めること、事業者は研修の機会を確保することが決められています。最初から全部を知っている必要はありません。
資格がまだない人でも、入社後に指定講習を受けられる職場もあります。先に講習を受けるか、働きながら取るかは、どちらも選べる道です。
求人の探し方と比べ方は福祉用具専門相談員の求人の探し方で、面接で聞きたいことまで紹介しています。
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福祉用具や介護の仕事を探している方へ
福祉用具専門相談員の求人は、福祉用具のレンタル事業所や販売店、メーカー、介護施設など職場によって仕事の中身が変わります。資格を入社後に取れる求人もあります。まずは介護・福祉専門の求人サイトで、職場の種類や資格の扱い、運転の有無などの条件を見比べてみましょう。
無料介護JJで求人を見てみる求人の内容・条件は時期によって変わります。最新の情報は公式サイトで確認してください。
仕事内容についてよくある相談
福祉用具専門相談員の仕事内容について、よく出る相談を3つ選び、国の基準や公開情報で分かる範囲で答えています。
営業や難しい話が苦手でも務まる?
福祉用具専門相談員として働きたいけれど、営業や難しい説明をするのが苦手で、仕事についていけるか心配、という相談です。
この仕事の中心は、売り込むことより、相手の困りごとを聞き取ることです。用具の説明も、目録などの書類を見せながら行う決まりになっています。
制度や用具の知識は、指定講習と職場の研修で身につけていくものです。最初から話がうまい必要はありません。
例えば、説明が得意でなくても「どの時間帯に一番困りますか」と一つずつ聞ける人は、利用者さんから信頼されやすいものです。話す力より、聞いた内容を計画にきちんと書き残す力のほうが求められる場面も多くあります。
『うまく話せるか不安…』という方は、聞き上手であることのほうが活きる場面が多いと考えてみてください。
介護職から移る時、業務の流れはどう変わる?
介護職を長く続けてきて、福祉用具専門相談員の仕事に興味がある。具体的な業務の流れを知りたい、という相談です。
介護職は、利用者さんに直接ケアをする仕事でした。福祉用具専門相談員は、相談、計画、納品、モニタリングの4つの場面を回し、その中で用具を通して暮らしを支えます。
介護の現場で見てきた「立ち上がりがつらそう」「介助する人の腰に負担がかかる」といった気づきは、用具を選ぶ時にそのまま活きるはずです。介護職からの移り方は介護職から福祉用具専門相談員へで紹介しています。
仕事着はスーツ?
福祉用具専門相談員として働く人は、どんな服装で仕事をしているのか、という相談です。
服装は職場ごとに決まりが違うので、一律の答えはありません。自宅の訪問や用具の運び込み、組み立てをする仕事なので、動きやすく清潔感のある服を選んでおくと安心です。
迷った時は、入社前に「訪問の時の服装に決まりはありますか」と聞いておくと安心です。
よくある質問
福祉用具専門相談員の仕事内容を簡単に言うと?
介護保険で福祉用具を使う人の自宅を訪ね、合う用具を選ぶ助言をし、計画を作り、届けて使い方を伝え、使い始めてからも見直す仕事です。
福祉用具専門相談員が作る書類には何がありますか?
中心になるのは福祉用具貸与計画と特定福祉用具販売計画です。使い始めてからは、モニタリングの記録を作ってケアマネジャーに渡します。
モニタリングはどのくらいの間隔で行いますか?
時期は計画に書いて決めます。借りるか買うかを選べる4品目を貸した場合は、使い始めてから6か月以内に少なくとも1回行います。
福祉用具専門相談員の仕事に営業はありますか?
職場によっては、ケアマネジャーへのあいさつ回りなど営業の要素もあります。ただ、中心は利用者さんへの相談と助言、計画づくりです。
未経験でも福祉用具専門相談員の仕事内容についていけますか?
指定講習は介護の知識がない人も想定して組まれています。入社後は先輩との同行や研修で、用具の扱い方や書類の書き方を覚えていくのが一般的です。
まとめ
- 福祉用具専門相談員の仕事内容は、相談・選定、計画づくり、納品と説明、モニタリングの4場面
- 相談では、同じ種目で機能や価格帯の違う複数の用具を示す
- 福祉用具サービス計画は、本人とケアマネジャーに渡す
- モニタリングの記録をケアマネジャーに渡すことが2024年度から決められた
- 1日は事務所、倉庫、利用者さんの自宅を行き来する
- 求人票では職場の種類、資格の扱い、運転の有無を先に確かめる





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