当サイトの記事は、編集部が厚生労働省や都道府県などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。指定講習の内容や日程、受講料、介護保険の制度は都道府県や講習事業者、時期によって変わることがあるため、最新の情報はお住まいの都道府県や講習を行う事業者、厚生労働省の公式サイトで確認してください。
看護師として働いてきて、福祉用具専門相談員の仕事も気になる。でも講習が要るのか、准看護師でも大丈夫なのか、気になりますよね。
結論から言うと、看護師・准看護師・保健師はどれも福祉用具専門相談員の要件に入っていて、指定講習を受けなくても働けます。
この記事を読むと、その根拠と、医療の知識が用具選びで活きる場面、看護の仕事とは分けて考えたい点が分かります。
看護師は福祉用具専門相談員になれる?
なれます。介護保険法施行令 第4条第1項の第1号が保健師、第2号が看護師、第3号が准看護師です。どれか一つを持っていれば、指定講習を修了しなくても福祉用具専門相談員の要件を満たします。
『准看護師だと、看護師と扱いが違うのでは?』と心配する方も多いはずです。
実は、准看護師も看護師と同じく、条文に名前が書かれています。福祉用具専門相談員の要件の上では、3つとも講習なしでなれる資格なんです。
| 資格 | 施行令の号 | 指定講習 | 現場の相談員に占める割合(令和6年10月1日現在) |
|---|---|---|---|
| 保健師 | 第1号 | 受けなくてよい | 0.1% |
| 看護師 | 第2号 | 受けなくてよい | 0.7% |
| 准看護師 | 第3号 | 受けなくてよい | 0.4% |
| 指定講習の修了者 | 第9号 | 受けて修了する | 84% |
割合は国の資料の数字で、複数回答です。条文はe-Gov法令検索の介護保険法施行令で読めます。
ほかに講習なしでなれる資格も含めた全体は、福祉用具専門相談員の資格要件で一覧にしています。
看護職の相談員は、現場ではまだ少ない
看護師・准看護師・保健師を合わせても、現場の福祉用具専門相談員に占める割合は1%ほどです。講習から入る人が8割強を占める仕事なんですね。
少ないからこそ、医療の目線を持つ人は事業所の中で頼られやすい存在です。『看護師が福祉用具の仕事なんて珍しいかな』と気にしすぎなくて大丈夫ですよ。
講習を受ける意味はある?
看護職なら、指定講習を受けなくても要件は満たしています。そのうえで、用具の知識や貸与計画の書き方を学ぶ場として、受講を考える人もいます。
指定講習は今は53時間で、用具の種類や使い方、計画の書き方をまとめて学べます。入社後の研修だけで足りるかどうかを、まず勤め先に聞いてみるのがおすすめです。
講習の開催時期や通学・オンラインの形、受講料は事業者ごとに異なります。最新の情報は、お住まいの都道府県や講習事業者の公式サイトで確かめてください。
医療の知識は、用具選びのどこで活きる?
看護職の強みは、利用者の身体の状態や生活のリスクを、具体的に想像できることです。用具を選ぶ時や、使い始めてからの見直しで、その目線が役立ちます。
福祉用具の仕事というと、ベッドや車いすの機能の話が中心だと思いますよね。
でも、用具は利用者の身体の状態や生活の様子に合わせて選ぶものです。どんなに良い用具でも、その人の暮らしに合わなければ使われなくなってしまいます。看護の現場で身につけた見方が、そのまま使える場面がいくつもあります。
| 看護の現場で身につけたこと | 福祉用具の仕事で活きる場面 |
|---|---|
| 皮膚の状態を見ること | 床ずれ防止用具や体位変換器を選ぶ時に、寝ている時間や姿勢を聞き取る |
| 体調の変化に気づくこと | モニタリングで、前回と比べて動きや様子が変わっていないか見る |
| 感染対策の知識 | 用具の消毒や衛生の説明を、家族に分かりやすく伝える |
| 医師や多職種との連携 | 医師やリハビリ職の意見を踏まえて、用具の提案をまとめる |
| 家族への説明 | 使い方や気をつける点を、不安にさせない言葉で伝える |

例えばこんな場面
ベッドで過ごす時間が長くなってきた利用者の家族から、相談を受ける場面です。
「日中はどのくらいベッドで過ごしていますか」「寝返りはご自分でできていますか」と、生活の様子から聞いていきます。
そのうえで「ケアマネジャーさんや訪問看護の方とも相談して、マットレスの種類を考えましょう」と、チームで決める流れを示せます。体の状態を具体的に想像しながら聞けるのは、看護職の強みですよね。
軽度の方の用具の相談でも頼られる
要支援1・2や要介護1の人は、車いすや特殊寝台などが原則として保険の対象外になります。ただ、一定の状態に当たる人は、例外として給付されることがあります。
市町村への確認では、医師の意見を出すこともあります。手続きの細部は市区町村ごとに違いますが、医療の書類に慣れている看護職は、流れをつかむのが早いはずです。
選べる用具の説明でも目線が活きる
固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖、多点杖は、貸与か販売かを選べる用具です。相談員は、医師や専門職の意見と利用者の身体の状態を踏まえて提案します。
『ずっと使うなら買ったほうが得?』と家族に聞かれることもありますよね。身体の状態がこの先どう変わりそうかを、主治医やリハビリ職の意見から読み取れるのは、看護職の強みです。
看護の仕事と、福祉用具の仕事はどう分けて考える?
福祉用具専門相談員の仕事は、用具を選び、届けて調整し、使い方を説明することです。看護の資格を持っていても、相談員として訪問している時は、医療的な判断や処置をする立場ではありません。
『看護師なのだから、気になることがあれば見てあげたほうがいいのでは』と思う方もいますよね。
その気持ちは自然です。ただ、相談員として訪問している時は、役割を分けて考えることが大切なんです。
- 身体の状態や生活の様子を聞き取る
- 用具を選び、高さや位置を調整する
- 使い方や気をつける点を説明する
- 気になる変化をケアマネジャーに伝える
- 医療的な処置やケア
- 病状についての判断や見立ての断定
- 用具の効果を医療的に言い切ること
- 主治医や訪問看護の役割を代わりに担うこと
例えば、訪問の時に皮膚の赤みに気づいたとします。その場で処置をするのではなく、「訪問看護の方やケアマネジャーさんに伝えておきますね」と家族に話し、関係者につなぎます。
気づいたことを正しく伝えられるのは、看護の知識がある人ならではの強みです。役割の線を守ったうえで、その目線を活かしていきましょう。
気づいたことの伝え方
ケアマネジャーに伝える時は、見たことをそのまま具体的に伝えるのがコツです。
「前回の訪問より、ベッドから立ち上がるまでに時間がかかっていました。手すりをつかむ位置も変わっていました」のように、場面と変化を分けて話します。
判断や見立ては、医師や訪問看護の役割です。相談員は、用具の側から見た事実を正確に届けることで、チームの判断を助けるんです。
良かれと思って、看護の立場で家族に助言してしまうことです。相談員としての説明と、医療の助言が混ざると、家族が誰に何を聞けばいいか迷ってしまいます。気になることは、関係者につなぐ形にしておきましょう。
看護職が福祉用具の仕事に移る前に確かめたいこと
資格の面ではすぐに働けるので、確かめたいのは働き方の中身です。病院や施設での看護とは、一日の流れも体の使い方も違います。
『夜勤が無いなら、体はラクになるかも』と考える方もいるかもしれません。ただ、福祉用具の事業所では、車での移動や用具の積み下ろしが仕事に入ってきます。
| 比べる点 | 病院や施設での看護 | 福祉用具専門相談員 |
|---|---|---|
| 働く場所 | 病棟や施設の中 | 利用者の自宅と事業所 |
| 利用者に会う頻度 | 勤務中は毎日 | 相談や納品、モニタリングの時 |
| 体の使い方 | ケアや介助 | 運転や用具の積み下ろし |
| 主な書類 | 看護記録 | 福祉用具貸与計画、モニタリングの記録 |
- 貸与の事業所か、販売店か、メーカーかを確かめる
- 普通自動車免許が要るか、社用車で回るかを確かめる
- 納品や搬入など、体を使う作業の割合を聞く
- 看護の資格を、仕事の中でどう活かしてほしいかを聞く
- 入社後の研修や、先輩への同行があるかを確かめる

求人の比べ方は福祉用具専門相談員の求人の探し方で詳しく紹介しています。
その先のキャリアも見ておく
福祉用具の仕事で経験を積むと、福祉用具プランナーの認定講習を考える道もあります。受講資格には、福祉用具関連業務に就いている保健師・看護師・准看護師が入っていて、実務の経歴は2年以上が条件です。
ケアマネジャーを目指す場合、看護師・准看護師・保健師は受験資格の法定資格に入っています。ただ、福祉用具専門相談員として働いた期間をどう数えるかは、都道府県の受験の手引で確かめましょう。
ケアマネとの関係は福祉用具専門相談員とケアマネジャーの違いで詳しく見ています。
PR|介護JJ
福祉用具や介護の仕事を探している方へ
福祉用具専門相談員の求人は、福祉用具のレンタル事業所や販売店、メーカー、介護施設など職場によって仕事の中身が変わります。資格を入社後に取れる求人もあります。まずは介護・福祉専門の求人サイトで、職場の種類や資格の扱い、運転の有無などの条件を見比べてみましょう。
無料介護JJで求人を見てみる求人の内容・条件は時期によって変わります。最新の情報は公式サイトで確認してください。
看護師・准看護師からよくある相談
知恵袋などでよく見かける相談から、3つを選んで答えます。
准看護師があれば、相談員の資格は要らない?
准看護師の免許で福祉用具の仕事ができるか、という相談です。
准看護師は、施行令 第4条第1項 第3号に入っています。看護師と同じく、講習を受けなくても福祉用具専門相談員の要件を満たします。
『准看護師だと、事業所で一段下に見られないか』と気にする方もいますよね。要件の上では看護師と同じ扱いなので、資格の違いで相談員の仕事ができる範囲が変わることはありません。
看護師などの資格がある人は、本当に講習が要らない?
講習の案内ばかり目に入って、自分も受けるべきか迷っている、という相談です。
保健師、看護師、准看護師のほか、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、義肢装具士も、講習なしで要件を満たします。講習の案内は、主にこれらの資格を持たない人向けの情報です。
『みんな講習を受けているから、自分も受けないと』と焦らなくて大丈夫ですよ。まずは、勤め先が資格の確認にどの書類を求めているかを聞いておきましょう。
理学療法士・作業療法士との違いは理学療法士・作業療法士と福祉用具専門相談員で、介護福祉士については介護福祉士は福祉用具専門相談員になれる?で紹介しています。
ヘルパー2級を持っていれば、資格は要らない?
看護職の方が、昔取ったヘルパー2級でも足りるのかと気にする相談です。
ヘルパー2級(2級課程)や介護職員初任者研修は、2015年4月から要件に入っていません。看護職の方は、看護の免許で要件を満たしているので、ヘルパー2級の扱いを気にする必要はありません。
履歴書や面接では、看護の免許を中心に伝えれば十分です。ヘルパー2級は、介護の経験を伝える材料として添える程度で考えておきましょう。
よくある質問
看護師の免許だけで、福祉用具専門相談員として働けますか?
働けます。介護保険法施行令 第4条第1項 第2号に看護師が入っているので、指定講習を受けなくても要件を満たします。
保健師も講習なしでなれますか?
なれます。保健師は第1号に入っていて、講習を修了しなくても福祉用具専門相談員の要件を満たします。
看護の経験は、福祉用具の仕事で役に立ちますか?
身体の状態や生活のリスクを想像できることは、用具選びやモニタリングで役立ちます。用具の種類や制度の知識は、入社後の研修や同行で覚えていく人が多いです。
相談員として訪問した時に、看護のケアをしてもいいですか?
相談員としての訪問では、医療的な処置はしません。気になる変化に気づいたら、ケアマネジャーや訪問看護など関係者につなぐ形にしましょう。
まとめ
- 保健師は第1号、看護師は第2号、准看護師は第3号に入っていて、講習なしで福祉用具専門相談員になれる
- 看護職の相談員は現場では少数で、医療の目線が頼られやすい
- 皮膚や体調の変化を見る力は、用具選びとモニタリングで活きる
- 相談員としての訪問では医療的な処置はせず、関係者につなぐ
- 移る前に、職場の種類や運転、研修の有無を確かめる





コメント