福祉用具専門相談員とケアマネジャーの違い|連携の仕方とキャリアの関係

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福祉用具専門相談員とケアマネジャーは、どちらも利用者の暮らしを支える相談の仕事なので、違いが分かりにくいですよね。

結論から言うと、ケアマネジャーは介護サービス全体の計画を作る人、福祉用具専門相談員はその中の福祉用具を担当する人です。

この記事を読むと、2つの仕事の違いと連携の仕方、ケアマネを目指す時の実務経験の考え方が分かります。

目次

福祉用具専門相談員とケアマネジャーの違いは?

先に結論

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、利用者が使う介護サービス全体の計画(ケアプラン)を作ります。福祉用具専門相談員は、そのケアプランに沿って福祉用具を選び、福祉用具貸与計画を作ります。

『どちらも利用者の家に行って話を聞くなら、同じような仕事では?』と感じる方も多いはずです。

実は、見ている範囲が違うんです。ケアマネジャーは訪問介護やデイサービスも含めた全体を、福祉用具専門相談員は用具まわりを深く見ます。

比べる点ケアマネジャー(介護支援専門員)福祉用具専門相談員
主に作る計画居宅サービス計画(ケアプラン)福祉用具貸与計画・特定福祉用具販売計画
見る範囲介護サービス全体福祉用具の選定・使い方・点検
主な職場居宅介護支援事業所など福祉用具の貸与・販売の事業所
なり方実務経験を積んで試験に合格し、研修を修了する指定講習の修了か、対象の国家資格
計画の関係全体の計画を作るケアプランに沿って計画を作る
ケアプランを土台に福祉用具サービス計画が作られ、計画とモニタリング記録がケアマネジャーに渡る関係を示した図解

福祉用具専門相談員の立場は福祉用具専門相談員の役割でも詳しく紹介しています。

上下ではなく、役割の分担

ケアマネジャーが全体の計画を作るので、上下の関係に見えるかもしれません。でも、どちらも利用者の暮らしのために動くチームの一員です。

用具の細かな機能や調整は、福祉用具専門相談員のほうが詳しいことも多いですよね。お互いの得意を持ち寄る関係だと考えておきましょう。

ケアプランと福祉用具サービス計画はどうつながる?

ケアプランが土台になる

福祉用具貸与計画は、ケアプランがすでにある時はその内容に沿って作ります。作った計画は、利用者と担当のケアマネジャーに渡します。

『ケアプランがあるのに、なぜ福祉用具の計画も別に作るの?』と思いますよね。

ケアプランは暮らし全体の目標を決める計画です。福祉用具の計画は、その目標に向けて「どの用具を、何のために、どう使うか」を細かく書く計画なんです。

段階ケアマネジャーがすること福祉用具専門相談員がすること
1 アセスメント暮らし全体の困りごとを聞く動作や住まいの環境を見て、用具の候補を考える
2 計画づくりケアプランに福祉用具が必要な理由を書くケアプランに沿って福祉用具貸与計画を作る
3 説明と同意ケアプランを説明し、同意をもらう計画を説明し、同意をもらって利用者とケアマネに渡す
4 使い始めサービスの調整をする用具を調整し、使い方を説明する
5 モニタリングケアプランを見直す使い方を確かめ、記録をケアマネに渡す

計画の中身は福祉用具サービス計画とはで詳しく見ています。

例えばこんな場面

退院して家に帰る人がいて、ケアマネジャーから「ベッドからの起き上がりが心配なんです」と連絡が来た場面を考えてみてください。

福祉用具専門相談員は家を訪ねて、ベッドの置き場所や手すりの位置を家族と相談します。そのうえで、なぜその用具を選んだかを計画に書いて、ケアマネジャーにも渡します。

「起き上がる時、どこにつかまっていますか?」

「ベッドの柵なんですけど、ぐらつくのが怖くて」

こうした一言が、用具を選ぶ理由として計画に残っていくんです。

連携の流れの一例
  1. ケアマネジャーから利用者の状況を聞く
  2. 利用者の家を訪ねて、動作と住まいを見る
  3. 用具の候補を複数示し、利用者と家族と一緒に選ぶ
  4. 福祉用具貸与計画を作り、同意をもらって交付する
  5. 使い始めた後に使い方を確かめ、記録をケアマネジャーに渡す

サービス担当者会議ではどう役割を分ける?

用具の専門家として説明する場

サービス担当者会議は、ケアマネジャーが関係するサービスの担当者を集めて、ケアプランを話し合う場です。福祉用具専門相談員は、用具を選んだ理由や使い方を分かりやすく説明します。

初めての会議だと『何をどこまで話せばいいんだろう』と緊張しますよね。

指定講習の総合演習でも、サービス担当者会議での説明をロールプレイで練習します。それだけ、仕事の中で大切な場面なんです。

会議での場面ケアマネジャー福祉用具専門相談員
会議の進行進める求められた所で話す
目標の共有ケアプランの目標を示す用具がその目標にどう役立つかを話す
用具の説明必要な理由を確かめる機能・使い方・注意点を説明する
他のサービスとの調整全体を調整するヘルパーさんなどに使い方を伝える
貸与か販売かの説明一緒に検討する選択制の対象の用具は、メリットとデメリットを説明する
会議の前に用意しておくこと
  • 用具を選んだ理由を一言で言えるようにしておく
  • 同じ種目で機能や価格帯の違う候補も示せるようにする
  • 使う時の注意点を、利用者と家族の言葉で説明できるようにする
  • ヘルパーさんなど、他の担当者に伝えたい点をまとめておく

会議では、こんなやり取りになることがあります。

「歩行器にした理由を教えてもらえますか?」

「廊下が広めで、ご本人が手で押す形のほうが歩きやすいと話されていたからです。段差のところだけ、ご家族に見守りをお願いしたいです」

退院・退所の前の話し合いに呼ばれることも

令和3年度からは、退院や退所の前に開くカンファレンスに、福祉用具専門相談員などが関わることが明示されました。

家に帰る前に、ベッドや手すりの準備を話し合っておけると、帰った日から暮らしやすくなりますよね。ケアマネジャーから声がかかった時に、住まいの様子を聞いておくと話が早く進みます。

2024年度からモニタリング記録をケアマネへ

記録を渡すことが義務になった

令和6年度(2024年度)の改定で、福祉用具専門相談員がモニタリングの結果を記録し、その記録をケアマネジャーに渡すことが義務になりました。計画にもモニタリングの時期を書くようになっています。

『計画を渡したら、あとは任せればいい』というわけではないんです。使い始めた後も、ケアマネジャーと情報を共有し続けます。

対象福祉用具専門相談員がすること
福祉用具の貸与計画にモニタリングの時期を書き、結果を記録してケアマネに渡す
選択制の対象で貸与を選んだ時使い始めてから6か月以内に少なくとも1回モニタリングする
選択制の対象で販売を選んだ時計画に書いた目標の達成状況を確かめる

選択制の対象は、固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖です。

補足

国の調査では、モニタリングはおおむね4〜6か月以内に期間を決めて行っている事業所が多く、方法は利用者の家を訪ねて確かめるのがいちばん多いという結果でした。

ケアマネを目指す時の実務経験はどう考える?

福祉用具専門相談員は受験資格の一覧に入っていない

ケアマネジャーの試験(介護支援専門員実務研修受講試験)は、法定資格に基づく業務か、決められた相談援助業務に通算5年以上かつ900日以上従事した人が受けられます。この法定資格の一覧に、福祉用具専門相談員は入っていません。

『相談員として何年も働いたから、ケアマネも受けられるはず』と考える方も少なくないですよね。

指定講習を修了した福祉用具専門相談員の業務だけでは、受験資格の業務に当たらないと読めます。ただ、介護福祉士や社会福祉士、看護師などの法定資格を持っている場合は話が変わってきます。

あなたの状況考え方
指定講習の修了だけで相談員をしている相談員の業務だけでは受験資格に当たらないと読める
介護福祉士・社会福祉士・看護師などを持って相談員をしているその資格に基づく業務として扱われるかは、受験の手引で確認する
これから介護福祉士などを取る資格を取った後の業務期間の扱いを、受験の手引で確認する
ケアマネジャーの受験資格を考える時に、持っている資格ごとに確認する点を分けた判定表の図解

平成30年度の試験からは、介護等の業務に従事した期間だけで受けるルートもなくなっています。法定資格の一覧には、介護福祉士や社会福祉士、看護師、理学療法士、義肢装具士なども入っています。

自己判断で決めないで

同じ「福祉用具の仕事」でも、どの資格に基づく業務として働いたかで扱いが変わることがあります。受験する都道府県の受験の手引で確かめるか、窓口に問い合わせてみてください。

受験資格とは別に、福祉用具の知識はケアマネジャーになってからも役立ちます。ケアプランに用具を入れる時、どんな候補があるかを知っていると、利用者に合う提案を考えやすくなるからです。

キャリアの道すじは福祉用具専門相談員のキャリアアップでも紹介しています。

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福祉用具専門相談員とケアマネのよくある相談

相談の選び方

福祉用具専門相談員とケアマネジャーの関係についてよく出る相談を3つ選び、国や都道府県の資料で分かる範囲で答えています。

福祉用具専門相談員の資格だけで、ケアマネ試験は受けられる?

福祉用具の販売やレンタルの仕事をしていて、ケアマネを目指したいという相談です。

受験資格の法定資格の一覧に、福祉用具専門相談員は入っていません。指定講習の修了だけで相談員をしている場合、その業務だけでは受験資格に当たらないと読めます。

ケアマネを目指すなら、介護福祉士など一覧にある資格を取る道を考えてみてください。細かな扱いは都道府県の受験の手引で確認するのが確かです。

以前と比べて受験資格が変わったと聞いた

何年か前に、ケアマネ試験の受験資格が変わったと聞いたけれど、どうなったのかという相談です。

平成30年度の試験からの見直しで、介護等の業務に従事した期間だけで受けるルートはなくなりました。今は、法定資格に基づく業務か、決められた相談援助業務の経験が必要です。

担当を引き継いだケアマネさんとどう付き合えばいい?

新しく福祉用具の事業所に入って、居宅介護支援事業所の担当を引き継いだ。どう関係を作ればいいか、という相談です。

まずは、計画やモニタリングの記録をきちんと渡すことが信頼の土台になります。困りごとを聞かれた時に、用具の候補を早めに示せると頼りにされやすいですよ。

用具の機能や使い方の質問に、すぐ答えられるように準備しておくことも大切です。

よくある質問

福祉用具専門相談員とケアマネジャーは、どちらが計画を作りますか?

両方が作ります。ケアマネジャーは介護サービス全体のケアプランを、福祉用具専門相談員はケアプランに沿った福祉用具貸与計画を作ります。

福祉用具貸与計画はケアマネジャーにも渡しますか?

渡します。作った計画は利用者と担当のケアマネジャーに交付することになっています。モニタリングの記録もケアマネジャーに渡します。

ケアマネジャーの資格があれば、福祉用具専門相談員になれますか?

ケアマネジャーは福祉用具専門相談員の要件の8つの国家資格に入っていません。ケアマネジャーの資格だけの人は、指定講習を受けることになります。

福祉用具専門相談員からケアマネジャーを目指せますか?

介護福祉士など受験資格の一覧にある資格を持ち、その資格に基づく業務の経験を積めば道はあります。細かな扱いは都道府県の受験の手引で確認してみてください。

ケアマネジャーが考えた用具が、利用者に合わないと感じたらどうしますか?

動作や住まいを見て感じた理由を添えて、別の候補もあわせてケアマネジャーに相談してみてください。同じ種目で機能や価格帯の違う複数の用具を示すことも、福祉用具専門相談員の役割です。

まとめ

この記事の要点
  • ケアマネジャーは介護サービス全体の計画、福祉用具専門相談員は福祉用具の計画を作る
  • 福祉用具貸与計画はケアプランに沿って作り、利用者とケアマネジャーに渡す
  • サービス担当者会議では、用具を選んだ理由と使い方を分かりやすく説明する
  • 2024年度からモニタリングの記録をケアマネジャーに渡すことが義務になった
  • ケアマネの受験資格の一覧に福祉用具専門相談員は入っていないので、受験の手引で確認を
福祉用具専門相談員ガイド

福祉用具専門相談員ガイド 編集部

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