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介護福祉士を持っているけれど、福祉用具専門相談員の仕事をするには別に講習が要るのか、迷いますよね。
結論から言うと、介護福祉士は福祉用具専門相談員の要件に入っているので、指定講習を受けなくても働けます。
この記事を読むと、講習が要らない理由と、介護の現場で積んだ経験を福祉用具の仕事でどう活かせるかが分かります。
介護福祉士は福祉用具専門相談員になれる?
なれます。介護保険法施行令 第4条第1項の第7号に、介護福祉士がはっきり書かれています。介護福祉士の登録があれば、福祉用具専門相談員の資格として別の講習を修了する必要はありません。
『福祉用具専門相談員の資格は、介護福祉士とは別に取るものじゃないの?』と思っている方も多いはずです。
実は、福祉用具専門相談員は国家資格ではありません。法令の「要件」を満たした人がなれる仕事で、その要件の一つが介護福祉士なんです。
| なり方 | 当てはまる人 | 指定講習 |
|---|---|---|
| 国家資格のルート | 保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、義肢装具士 | 受けなくてよい |
| 講習のルート | 都道府県知事が指定した講習を修了し、修了証明書を受け取った人 | 受けて修了する |
条文はe-Gov法令検索の介護保険法施行令で読めます。
なぜ講習を受けなくてよいの?
国は、福祉用具の知識を持つ国家資格の保有者と、指定講習の修了者に要件をしぼっています。介護福祉士は、介護の知識と技術を持つ人として、前者に入っているんです。
ただ、ここで混同しやすいのが初任者研修です。初任者研修やヘルパー2級は、2015年4月から要件に入っていません。
『介護の資格なら、どれでもいいんでしょ?』と考えてしまうと、ここでつまずきます。要件の全体は福祉用具専門相談員の資格要件で一覧にしています。
相談員の1割強は介護福祉士
国の資料では、令和6年10月1日現在、福祉用具専門相談員のうち介護福祉士は11%です(複数回答)。講習会修了者の84%に次いで多い資格なんですね。
介護の現場から福祉用具の仕事に移る人は、珍しい存在ではありません。介護福祉士で事業所に入っても、浮いてしまう心配は少ないはずです。
介護の現場経験は、福祉用具の仕事のどこで活きる?
介護福祉士の強みは、利用者の動きと介助の場面を、頭ではなく体で知っていることです。福祉用具を選ぶ時や、使い方を説明する時に、その経験がそのまま役立ちます。
講習なしでなれると分かっても、『介護と福祉用具の仕事は別物でしょ?』と不安になりますよね。
そこで、介護の現場でしてきたことが、福祉用具専門相談員の仕事のどの場面で使えるかを表にしました。
| 介護の現場でしてきたこと | 福祉用具の仕事で使う場面 |
|---|---|
| 移乗やおむつ交換などの介助 | ベッドの高さや手すりの位置を、介助する家族の動きから考える |
| 利用者の小さな変化に気づく観察 | 訪問のモニタリングで、用具が今の状態に合っているか見る |
| 介護記録を書くこと | 福祉用具貸与計画やモニタリングの記録を書く |
| 申し送りやカンファレンス | ケアマネや他のサービスの担当者と、用具の使い方を共有する |
| 家族への声かけ | 介護する家族が使いこなせるかを、言葉を選んで確かめる |
| 介護技術の知識 | 用具を入れた後の介助の仕方まで、具体的に伝える |

例えば、ベッドから車いすへの移乗に手間取っている家族がいる場面です。
「ベッドを少し高くして、手すりをこちら側に付けると、立ち上がりがラクになりますよ」と、介助の動きまで添えて提案できます。これは介護の現場を知っている人の強みですよね。
入浴の場面も同じです。浴室で利用者が立ち上がる時、どこに手をかけ、どこで足が止まるかを、介護福祉士は何度も見てきています。
「浴槽のふちに手すりを付けて、入浴用のいすを置くと、介助する方の腰の負担も減りますよ」と、使う人と介助する人の両方の目線で話せるんです。
家族の『言いにくい本音』を拾える
福祉用具の相談では、家族が本音を言い出しにくいことも。『本当は夜中のトイレの付き添いがつらい』という悩みは、聞き方を工夫しないと出てきません。
介護の現場で夜勤や排せつの介助をしてきた人なら、その大変さを分かったうえで質問ができます。「夜はどのくらい起きていますか」と具体的に聞けることが、用具選びの手がかりになります。
新しく覚えることもある
一方で、介護の現場ではあまり使わなかった知識もあります。入ってから慌てないように、先に知っておきましょう。
- 貸与の13種目と、販売の対象になる用具の種類
- 用具ごとの機能と、同じ種目の中での違い
- 全国平均貸与価格の説明や、複数の商品を示すこと
- 貸与と販売を選べる用具の、メリットとデメリットの説明
- 用具の点検・消毒と、納品の時の組み立てや調整
扱う用具の種類は福祉用具専門相談員が扱う福祉用具で詳しく紹介しています。
福祉用具の仕事に移る前に確かめたいこと
介護福祉士なら資格の面ではすぐに働けます。だからこそ、職場の種類や運転の有無、入ってからの研修など、資格以外の条件を求人票で確かめておくことが大切です。
『資格があるなら、どこでも同じでしょ?』と思うかもしれません。ただ、福祉用具の事業所は、介護施設とは働き方がかなり違うんです。
| 確かめる点 | 求人票で見るところ | 面接で聞くとよいこと |
|---|---|---|
| 職場の種類 | 貸与の事業所か、販売店か、メーカーか | 1人あたり何件くらいの利用者を担当するか |
| 運転 | 普通自動車免許の有無、社用車か | 用具を積んで運転する距離や時間 |
| 入ってからの研修 | 研修や同行の有無 | 一人で訪問するまでの期間の目安 |
| 体を使う仕事 | 納品や搬入の作業 | 重い用具を運ぶ時の人数 |
| 休みの取り方 | 土日祝や夜間の対応 | 急な故障の連絡が来た時の対応の仕方 |

介護施設と福祉用具の事業所、1日の流れはどう違う?
介護施設では、決まった時間に食事や入浴の介助をし、同じ利用者と毎日顔を合わせますよね。
福祉用具の事業所では、利用者の自宅への訪問や納品、事務所での計画づくりが中心です。同じ利用者に会うのは、相談や納品、モニタリングの時になります。
- 訪問が日中の仕事なので、生活のリズムを組み立てやすい
- 一人の利用者に、時間をかけて向き合える
- 介助で腰を使う場面が減る
- 車での移動と、用具の積み下ろし
- 計画や記録などの事務の時間
- ケアマネや家族との電話でのやりとり
1日の時間の使い方は福祉用具専門相談員の1日で詳しく紹介しています。
求人票の見比べ方は福祉用具専門相談員の求人の探し方で、仕分けの流れごと紹介しています。
講習を受け直す意味はある?
介護福祉士なら、指定講習を受けなくても要件は満たしています。そのうえで、用具の知識を学び直す場として受講を考える人もいます。
現行の指定講習は53時間です。受けるかどうかは、勤め先の研修の内容を聞いてから決めても遅くありません。
資格があることで安心して、用具の知識の勉強を後回しにしてしまうことです。福祉用具専門相談員には、常に知識と技能の向上に努める努力義務があります。入社後の研修や同行の機会を、積極的に使ってみてください。
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介護福祉士から相談員に移る時によくある相談
知恵袋などでよく見かける相談を、3つ選んで答えます。
どれも『資格はあるのに、何となく自信が持てない』という気持ちから出てくる相談ですよね。同じように迷っている方は、自分に近いものから読んでみてください。
介護福祉士なら、福祉用具専門相談員の資格を取らなくていい?
『わざわざ講習を受けないといけないのか』という相談です。
介護福祉士を持っていれば、福祉用具専門相談員として働くために、別の資格を取る必要はありません。施行令の第7号が根拠です。
ただ、勤め先から資格の確認を求められることはあります。どの書類を出せばよいかは、入社前に聞いておくと安心です。
講習を受けていないと、選定や計画の作成はできない?
介護福祉士で福祉用具貸与の事業所に転職した人からの相談です。
介護福祉士は福祉用具専門相談員の要件を満たしているので、選定の相談や福祉用具貸与計画の作成も、相談員として行えます。講習の修了は前提ではありません。
計画の中身については福祉用具サービス計画とはで、書く項目ごとに紹介しています。
相談員として働いた期間は、介護福祉士の実務経験になる?
こちらは逆の立場、福祉用具専門相談員から介護福祉士を目指す人の相談です。
介護福祉士の実務経験は、厚生労働省の通知で決まった職種で、主な業務が介護等である人の期間が対象です。ただ、福祉用具専門相談員の期間がこれに入るかは、公的な資料で確かめられませんでした。
ここは自己判断せず、公益財団法人社会福祉振興・試験センターの「実務経験の範囲」で確かめてみてください。
介護福祉士の経験を、その先のキャリアにつなげるには
福祉用具の仕事で経験を積むと、福祉用具プランナーやケアマネジャーへの道も見えてきます。どちらも、実務の年数の数え方を早めに確かめておくのがコツです。
『福祉用具の仕事に移ったら、介護福祉士の資格が無駄にならない?』と心配する方もいますよね。
実は、介護福祉士の資格は、福祉用具の仕事に移ってからもキャリアの土台になります。
用具の知識と介護の知識の両方を持つ人は、事業所の中でも頼られやすい存在です。後輩から「この方の移乗はどう介助するのがいいですか」と聞かれる場面もあるはずです。
- 介護福祉士として、福祉用具専門相談員の仕事に就く
- 用具の選定や計画づくり、モニタリングの経験を積む
- 福祉用具関連の業務を2年以上続け、福祉用具プランナーの講習を考える
- ケアマネを目指すなら、都道府県の受験の手引で実務の数え方を確かめる
福祉用具プランナーは、公益財団法人テクノエイド協会の認定講習です。受講資格には、福祉用具関連業務に就いている介護福祉士も入っています。
ケアマネジャーの受験資格は、法定資格に基づく業務などに通算5年以上かつ900日以上就いていることです。介護福祉士として相談員の仕事をした期間の扱いは、都道府県の受験の手引で確かめましょう。
『いずれは介護の現場に戻るかも』という方もいますよね。福祉用具の知識を持って現場に戻れば、施設での用具の使い方を見直す時にも役立ちます。
ケアマネとの関係は福祉用具専門相談員とケアマネジャーの違いで詳しく見ています。
よくある質問
介護福祉士の資格だけで、福祉用具専門相談員として働けますか?
働けます。介護保険法施行令 第4条第1項 第7号に介護福祉士が入っているので、指定講習を受けなくても要件を満たします。
介護福祉士は、福祉用具専門相談員を名乗ってもいいのですか?
福祉用具の事業所で相談員として働くなら、要件を満たしているので問題ありません。ただ、相談員は事業所に置く職種なので、働く場所が決まってから名乗るものだと考えておくと自然です。
実務者研修や初任者研修だけでもなれますか?
なれません。初任者研修は2015年4月から要件の対象外です。介護福祉士の登録まで済んでいるかを確かめてみてください。
介護の経験しかなくても、福祉用具の知識は追いつけますか?
介護の知識は用具選びの土台になります。用具の種類や制度の知識は、入社後の研修や先輩への同行で覚えていく人が多いです。
まとめ
- 介護福祉士は施行令 第4条第1項 第7号に入っていて、講習なしで福祉用具専門相談員になれる
- 初任者研修やヘルパー2級は要件の対象外なので混同しない
- 介助・観察・記録・連携の経験は、選定や説明、モニタリングでそのまま活きる
- 移る前は、職場の種類や運転、研修の有無を求人票と面接で確かめる
- 相談員の期間が介護福祉士の実務経験になるかは、試験センターで確かめる





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