福祉用具専門相談員の資格|取り方・要件・講習の全体像

福祉用具専門相談員の資格の取り方・要件・講習の全体像を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が厚生労働省や都道府県などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。指定講習の内容や日程、受講料、介護保険の制度は都道府県や講習事業者、時期によって変わることがあるため、最新の情報はお住まいの都道府県や講習を行う事業者、厚生労働省の公式サイトで確認してください。

福祉用具専門相談員の資格を取りたいと思って調べると、「講習」「国家資格」「要件」と言葉がばらばらに出てきて、結局どうすればいいのか迷いますよね。

結論から言うと、福祉用具専門相談員の資格は国家試験に合格して取るものではありません。都道府県が指定した講習を修了するか、決められた国家資格を持っていれば、福祉用具専門相談員として働く要件を満たします。

この記事では、自分が講習を受ける側か受けなくてよい側かを最初に見分けて、そこから取り方・期間・費用・働く場所まで順番に見ていきます。

目次

福祉用具専門相談員の資格はどんな仕組み?

先に結論

福祉用具専門相談員は国家資格ではなく、介護保険法施行令 第4条第1項に書かれた「要件」を満たした人が名乗れる仕事です。要件は、8つの国家資格のどれかを持っているか、都道府県知事が指定した講習を修了して修了証明書を受け取っているかのどちらかです。

『資格っていうからには、試験に受からないと取れないんでしょ?』と思っている方も多いはずです。

実は、福祉用具専門相談員には国家試験も、資格の登録番号もありません。講習の最後に修了評価という筆記はありますが、これは講習の中で行う確認で、国家試験とは別物なんです。

介護保険で福祉用具をレンタル(貸与)したり販売したりする時は、福祉用具専門相談員の助言を受けて選ぶことになっています。だから、その助言をする人に一定の知識を求めるために要件が決められているんですね。

項目福祉用具専門相談員国家資格(例: 介護福祉士)
根拠介護保険法施行令 第4条第1項それぞれの資格の法律
取り方指定講習の修了、または対象の国家資格国家試験に合格して登録
証明するもの講習事業者が出す修了証明書登録証
試験講習の最後に修了評価(筆記・1時間程度)国家試験
更新法令に更新の定めは見当たらない資格による

根拠の条文は、e-Gov法令検索の介護保険法施行令で読めます。

事業所には福祉用具専門相談員を置くルールがある

福祉用具の貸与事業所と販売事業所には、福祉用具専門相談員を事業所ごとに常勤換算で2以上置くことが決められています。

だからこそ、レンタルや販売の事業所では、この資格を持った人が欠かせません。仕事の全体像は福祉用具専門相談員とはで詳しく紹介しています。

現場で働く人の多くは講習の修了者

国の資料では、令和6年10月1日現在、福祉用具専門相談員のうち講習会修了者が84%、介護福祉士が11%、その他の有資格専門職が5%です(複数回答)。

8割強が講習を修了して働いている人、ということになります。介護や医療の資格が無くても、講習から入る人がいちばん多い仕事なんです。

講習を受ける人・受けなくてよい人の見分け方

調べ始める前に確かめたいこと

資格の取り方を調べる前に、まず「自分は講習が要るのか」を確かめておきましょう。持っている資格によっては、講習を受けずにそのまま福祉用具専門相談員として働けます。

ここが大事なところです。調べ始める人の多くは、講習のスクール探しから入りますよね。

でも、看護師や介護福祉士などの資格を持っている人は、講習を受けなくても要件を満たしています。逆に、介護職員初任者研修だけを持っている人は講習が要ります。

次の順番で、自分がどちらに入るか確かめてみてください。

講習が要るかどうかの判定フロー
  1. 保健師・看護師・准看護師のどれかを持っているか確かめる。持っていれば講習は要らない
  2. 理学療法士・作業療法士・義肢装具士のどれかを持っているか確かめる。持っていれば講習は要らない
  3. 社会福祉士・介護福祉士のどれかを持っているか確かめる。持っていれば講習は要らない
  4. 1〜3のどれも無ければ、指定講習を受けて修了証明書を受け取る
  5. 介護職員初任者研修やホームヘルパー2級だけの人も、4と同じく講習を受ける
福祉用具専門相談員の資格要件を、8つの国家資格のどれかを持っている人は講習不要、持っていない人は指定講習を修了する、という2つのルートで示した判定フロー

講習なしで要件を満たす8つの国家資格

介護保険法施行令 第4条第1項に書かれている国家資格は、次の8つです。

分野講習なしで要件を満たす資格
看護保健師、看護師、准看護師
リハビリ理学療法士、作業療法士
福祉社会福祉士、介護福祉士
義肢・装具義肢装具士

例えば、病院で看護師として働いている人が福祉用具の事業所に移る場合、講習を受け直さなくても福祉用具専門相談員として働けます。

要件の細かい扱いや、無資格で事業所に入った時のことは福祉用具専門相談員の資格要件で詳しく見ています。

初任者研修だけでは要件を満たさない

『ヘルパー2級を持っているから、もう取れているはず』と考えている方もいるかもしれませんね。

平成27年(2015年)4月の改正で、介護職員初任者研修やホームヘルパー1級・2級などの養成研修の修了者は、要件から外れました。経過措置も平成28年3月31日で終わっています。

よくある勘違い

古い求人情報やブログでは、今も「初任者研修で福祉用具専門相談員になれる」と書かれていることがあります。今は初任者研修だけでは要件を満たさないので、指定講習を受けておきましょう。

講習で福祉用具専門相談員の資格を取る流れ

取り方は「講習を選ぶ・受ける・修了評価・修了証明書」の4段階

講習を受ける人は、都道府県が指定した講習事業者の講習を選んで申し込み、すべての課程を受けて修了評価を受けます。課程を修了すると、修了証明書と携帯用の修了証明書が出ます。

国家資格を持っていない人は、ここからが本番です。といっても、流れ自体はシンプルなんです。

段階やること確かめておきたいこと
1 講習を選ぶ都道府県の一覧から指定講習事業者を探す通学かオンラインか、日程の組み方
2 申し込む講習事業者に申し込み、受講料を払う欠席した時の扱い、補講の有無
3 受講する53時間のカリキュラムを受ける演習の日に出席できるか
4 修了評価筆記の修了評価を1時間程度受ける到達しなかった時の補講
5 修了証明書修了証明書と携帯用の証明書を受け取るなくさずに保管する
講習で福祉用具専門相談員の資格を取る流れを、講習選びから修了証明書の受け取りまで5段階で示した図解

申し込みから修了までの細かい手順は福祉用具専門相談員の資格の取り方で順番に紹介しています。

講習は都道府県知事が指定したもの

講習事業者は、都道府県の区域ごとに、申請によって都道府県知事が指定します。どこでも受けられるわけではなく、指定を受けた事業者の講習だけが対象です。

大阪府や埼玉県のように、都道府県のサイトで講習事業者の一覧や開講予定を出しているところもあります。まずはお住まいの都道府県のページを見てみてください。

オンラインで受けられる講習もある

厚生労働省は令和5年12月の事務連絡で、講習の受講や申し込み、修了証の発行などの手続きを、ICTを使ってオンラインで行っても差し支えないとしています。

ただ、どんな形のオンラインか(決まった時間につなぐのか、録画を見るのか)は事業者ごとに違います。演習を通学で行う講習もあるので、申し込む前に確かめておきましょう。

講習の中身・期間・費用はどれくらい?

現行の講習は53時間+修了評価1時間程度

令和7年(2025年)4月から、指定講習は53時間の新しいカリキュラムになりました。「50時間」と書かれた情報は、平成27年4月から令和8年3月までの旧カリキュラムの話です。

『50時間って聞いたけど、53時間なの?』と混乱しますよね。

講習の時間は、平成27年4月に40時間から50時間へ、令和7年4月に50時間から53時間へと増えてきました。旧カリキュラムで行う講習は令和8年3月31日までに終わるものに限られていたので、今受ける講習は53時間です。

科目主な中身時間
福祉用具と福祉用具専門相談員の役割福祉用具の役割、仕事の倫理2時間
介護保険制度等に関する基礎知識介護保険の仕組み、介護サービスの視点4時間
高齢者と介護・医療に関する基礎知識からだとこころの理解、介護技術、住環境と住宅改修16.5時間
個別の福祉用具に関する知識・技術福祉用具の特徴と活用、安全利用とリスクマネジメント17.5時間
サービスの仕組みと総合演習供給の仕組み、福祉用具貸与計画の作成と活用13時間
合計53時間

令和7年の改正では、安全利用とリスクマネジメントの科目が加わり、講義に加えて演習の時間も増えました。科目ごとの中身は福祉用具専門相談員の指定講習でもまとめています。

何日で取れるかは講習事業者で変わる

国が決めているのは時間数だけで、何日で終わるかは決まっていません。

例えば、平日に介護施設で働きながら土日だけ受ける場合と、仕事をしていない期間にまとめて受ける場合では、修了までの期間がかなり変わります。

期間を見積もる時に確かめること
  • 講習が連日なのか、週末だけなのかを確かめる
  • オンラインと通学の日がどう組み合わさっているかを確かめる
  • 修了評価の日がいつかを確かめる
  • 欠席した時に、どこで不足分を受けられるかを確かめる
  • 修了証明書がいつ出るかを確かめる

日程や形式は変わることがあるので、最新はお住まいの都道府県や講習事業者の公式サイトで確認してみてください。

修了評価はどれくらい難しい?

修了評価は、全科目が終わった時に筆記で1時間程度行います。国の通知では、講習が福祉用具専門相談員の入口であることから、「列挙できる」「概説できる」レベルを想定するとしています。

到達目標に届かなかった場合は、講習事業者が必要に応じて補講などを行うことになっています。講義をきちんと受けていれば、身構えすぎなくて大丈夫です。

費用はどう考える?

受講料は講習事業者ごとに決まっている

受講料には国の決まった金額がありません。講習事業者が運営規程で受講料(補講などを含む)を決めて公開しているので、比べる時はその中身を見ます。

いちばん気になるのは、やっぱりお金のことですよね。

受講料は講習事業者によって違います。金額だけを見るのではなく、何が含まれているかで比べるのがおすすめです。

受講料を比べる時に見ること
  • テキスト代が受講料に含まれているかを見る
  • 補講や振替を受ける時に追加の費用がかかるかを見る
  • 通学の日がある場合、会場までの交通費を見込む
  • オンラインの場合、パソコンや通信環境を用意できるかを見る
  • 勤め先に資格取得の支援があるかを聞いてみる

受講料の見方と負担を抑える考え方は、福祉用具専門相談員の資格取得にかかる費用で詳しく紹介しています。

職場の支援で取る道もある

求人の中には、「資格は入社後に取得可」としているところもあります。先に就職して、職場の支援を受けながら講習に通う、という選択肢もあるんです。

自分で受講料を払って先に取るか、入社後に取るかは、今の働き方や貯金と相談して決めてみてください。

福祉用具専門相談員の資格を活かせる職場

主な活躍の場は福祉用具の貸与・販売事業所

福祉用具専門相談員の資格がいちばん活きるのは、介護保険の福祉用具貸与事業所と特定福祉用具販売事業所です。どちらにも、福祉用具専門相談員を常勤換算で2以上置くルールがあります。

『資格を取ったら、すぐに働けるのかな?』と不安になる方も多いですよね。

事業所に配置のルールがあるので、福祉用具を扱う事業所では、この資格を持った人が求められています。仕事では、利用者の家を訪ねて福祉用具を選び、計画を作り、納品して使い方を説明し、その後も様子を確かめます。

職場の種類主な仕事資格の扱い
福祉用具貸与事業所レンタルする福祉用具の選定、計画作成、納品、モニタリング配置のルールがあり、中心となる仕事
特定福祉用具販売事業所入浴や排せつに使う用具などの販売、計画作成配置のルールがある
両方を一体で運営する事業所貸与と販売の両方それぞれの基準を満たせばよい

例えば、手すりの位置を家族と相談する場面では、こんな会話になることもあります。

「トイレの立ち上がりで、どこにつかまりたいですか?」

「右側の壁なら、つかまりやすい気がします」

こうしたやり取りを重ねて、利用者に合う用具を選んでいく仕事なんです。

介護の現場経験は活きる

介護職として働いてきた人なら、移乗や歩行の場面を見てきた経験が、そのまま用具選びに活きます。

一方で、介護の経験が無い人でも、講習は介護分野の知識を持たない受講者も想定して作られています。最初の一歩として講習から入ってみてください。

求人を見る時に確かめたいこと

求人を探す時は、資格が必須か入社後取得可か、訪問に車の運転が要るかを最初に見ておくと、自分に合う求人を絞りやすくなります。

求人票の見方や探し方は福祉用具専門相談員の求人の探し方で詳しく紹介しています。

資格を取った後も学び続ける仕事

福祉用具専門相談員の資格には、法令上の更新の手続きは見当たりません。一度講習を修了すれば、そのまま働き続けられます。

ただ、働く人には「常に自己研鑽に励み、必要な知識と技能の修得・維持・向上に努める」という努力義務があります。これは平成27年度の改定で加わったものです。

事業者の側にも、福祉用具専門相談員に研修の機会を用意する義務があります。新しい福祉用具や制度の変更が続く仕事なので、入社後の研修があるかも求人を比べる時の観点にしてみてください。

立場決められていること
福祉用具専門相談員知識と技能を高め続ける努力義務
事業者研修の機会を用意する義務

PR|介護JJ

福祉用具や介護の仕事を探している方へ

福祉用具専門相談員の求人は、福祉用具のレンタル事業所や販売店、メーカー、介護施設など職場によって仕事の中身が変わります。資格を入社後に取れる求人もあります。まずは介護・福祉専門の求人サイトで、職場の種類や資格の扱い、運転の有無などの条件を見比べてみましょう。

無料介護JJで求人を見てみる

求人の内容・条件は時期によって変わります。最新の情報は公式サイトで確認してください。

福祉用具専門相談員の資格についてよくある相談

相談の選び方

福祉用具専門相談員の資格を考えている人からよく出る相談を3つ選び、国や都道府県の資料で分かる範囲で答えています。

勉強が苦手でも取れる?

勉強が苦手で、特に計算が苦手。それでも福祉用具専門相談員の資格は取れるのか、という相談です。

講習の最後の修了評価は、「列挙できる」「概説できる」レベルを想定した筆記です。講習の中身も、介護保険の仕組みや福祉用具の特徴、計画の作り方が中心で、難しい計算をする科目はありません。

到達目標に届かなかった時は、事業者が必要に応じて補講などを行います。『自分には無理かも』と思っている方も、まずは講義をしっかり聞くことから始めてみてください。

介護福祉士を持っていれば講習は要らない?

介護福祉士の資格を持っている。福祉用具専門相談員の講習を受けなくても働けるのか、という相談です。

はい、介護福祉士は介護保険法施行令 第4条第1項に書かれた国家資格なので、講習を受けなくても要件を満たします。実際、現場の福祉用具専門相談員の11%は介護福祉士です。

ただ、福祉用具の種類や計画の作り方は介護の仕事とは別の知識です。事業所に入ってからの研修で学んでいくことになります。

この資格でケアマネになれる?

福祉用具専門相談員の資格を取って数年働いた。この経験でケアマネジャーの試験を受けられるのか、という相談です。

ケアマネジャーの試験(介護支援専門員実務研修受講試験)を受けられる法定資格の一覧には、「福祉用具専門相談員」は入っていません。講習の修了だけで働いてきた期間は、受験資格の業務には当たらないと読めます。

一方で、介護福祉士や看護師などの法定資格を持っている人もいますよね。その資格に基づく業務として働いた期間がどう扱われるかは、都道府県の受験の手引で確かめてみてください。

よくある質問

福祉用具専門相談員は国家資格ですか?

国家資格ではありません。介護保険法施行令 第4条第1項の要件を満たした人が福祉用具専門相談員として働けます。要件は、指定講習の修了か、看護師・介護福祉士などの国家資格です。

福祉用具専門相談員の講習は何時間ですか?

令和7年4月からは53時間で、別に筆記の修了評価が1時間程度あります。50時間は旧カリキュラムの時間です。

介護職員初任者研修を持っていれば、福祉用具専門相談員として働けますか?

働けません。平成27年4月の改正で初任者研修などの修了者は要件から外れたので、指定講習を受けることになります。

福祉用具専門相談員の資格に有効期限や更新はありますか?

法令に更新の定めは見当たらず、修了証明書の様式にも有効期限の欄はありません。ただ、働く上では知識や技能を高める努力義務があります。

資格を取る前に就職することはできますか?

資格は入社後に取得可としている求人もあります。求人票の資格の欄を確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 福祉用具専門相談員は国家資格ではなく、介護保険法施行令 第4条第1項の要件を満たして働く仕事
  • 8つの国家資格のどれかを持っていれば、講習なしで要件を満たす
  • 国家資格が無い人は、都道府県知事が指定した講習を修了して修了証明書を受け取る
  • 介護職員初任者研修だけでは要件を満たさない
  • 現行の講習は53時間+修了評価1時間程度で、日数や受講料は講習事業者ごとに違う
  • 資格がいちばん活きるのは福祉用具の貸与・販売事業所
  • 講習の日程や受講料の最新は、都道府県や講習事業者の公式サイトで確認を
福祉用具専門相談員ガイド

福祉用具専門相談員ガイド 編集部

福祉用具専門相談員とは何か、資格の取り方と指定講習・修了評価、講習なしでなれる国家資格、仕事内容と職場、求人の探し方までを、これから目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次