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福祉用具の事業所で働き始めると、すぐに「計画書」という言葉が出てきますよね。何を書けばいいのか、誰に渡すのか、最初は戸惑うものです。
結論から言うと、福祉用具サービス計画は、福祉用具専門相談員が利用者ごとに作る「この用具で何を目指すか」の計画です。目標、サービスの内容、モニタリングの時期を書き、同意をもらって交付します。
この記事を読むと、計画書の中身を4つのブロックで分けた書き方の順番と、ケアプランとのつながりが分かります。
福祉用具サービス計画とは?
福祉用具サービス計画は、福祉用具貸与計画と特定福祉用具販売計画をまとめた呼び方です。国の基準では、福祉用具専門相談員が作ることになっています。
『計画書って、ケアマネジャーが作るケアプランとは違うの?』と思う方も多いはずです。
実は別物なんです。ケアプランは生活全体の計画で、福祉用具サービス計画は「福祉用具の部分」を詳しくした計画です。
国の基準に書かれているポイントは、次のとおりです。
| 項目 | 基準に書かれていること |
|---|---|
| 作る人 | 福祉用具専門相談員 |
| 踏まえること | 利用者の希望、心身の状況、置かれている環境 |
| 書くこと | 目標、目標を達成するための具体的なサービス内容、モニタリングを行う時期など |
| ケアプランとの関係 | ケアプランが既にある時は、その内容に沿って作る |
| 説明と同意 | 利用者や家族に説明し、利用者の同意を得る |
| 交付先 | 利用者と、担当の介護支援専門員 |
貸与と販売の両方を使う時は、2つの計画を一体のものとして作ります。現場で「福祉用具サービス計画」と呼ばれるのは、この形を指していることが多いんです。
貸与計画と販売計画はどう違う?
福祉用具はレンタル(貸与)が基本で、入浴や排せつの用具などは販売になります。計画も、貸与と販売でそれぞれの決まりがあります。
| 比べる点 | 福祉用具貸与計画 | 特定福祉用具販売計画 |
|---|---|---|
| 書くこと | 目標、サービス内容、モニタリングの時期など | 目標、サービス内容など |
| 説明と同意、交付 | 利用者に説明して同意を得て交付し、担当のケアマネジャーにも交付 | 利用者に説明して同意を得て交付 |
| 使い始めた後 | モニタリングして記録し、ケアマネジャー側に報告 | 選択制の用具を販売した時は、目標の達成状況を確かめる |
販売のほうは「渡して終わり」と思われがちですよね。ただ、選択制の用具を販売した時は、計画に書いた目標がどこまでできているかを確かめることになっています。
いつから作るようになった?
福祉用具貸与・販売計画の作成は、平成24年度の改定で義務になりました。国の資料では、平成25年4月から作成が義務化されたと説明されています。
その後、令和6年度の改定で、計画にモニタリングの実施時期を書くことが加わりました。改定の全体像は2024年度の介護報酬改定で福祉用具専門相談員の仕事はどう変わった?で紹介しています。
計画書は4つのブロックに分けると書きやすい
基準に書かれた項目を並べ替えると、計画書は4つのブロックに分けられます。この順番で考えると、内容がばらばらになりにくくなります。
『白紙の様式を前にすると、どこから書けばいいか分からない…』という声はよく聞きます。
そこでこの記事では、計画書の中身を4つのブロックに分けてみました。事業所の様式は違っても、考える順番は同じように使えます。
| ブロック | 中身 | 考えるヒント |
|---|---|---|
| 1 目標 | 用具を使って、どんな暮らしを目指すか | ケアプランの目標と言葉をそろえる |
| 2 選定理由 | なぜこの種目・この用具なのか | 希望、身体の状況、住まいの環境の3つから説明する |
| 3 注意点 | 使い方や安全の留意事項 | 納品の時に説明する内容とそろえる |
| 4 モニタリング | いつ、何を確かめるか | 時期と見るポイントを具体的に書く |

書く順番の手順
4つのブロックは、次の順番で埋めていくと迷いにくくなります。
- ケアプランを読み、生活全体の目標と福祉用具が必要な理由を確かめる
- 訪問で本人の希望、身体の状況、住まいの段差や広さを聞き取る
- 目標を「何ができるようになるか」の言葉で書く
- 選んだ用具と、選んだ理由を書く
- 使い方や安全の注意点を書く
- モニタリングの時期と、確かめるポイントを書く
- 本人と家族に説明して同意をもらい、交付する
目標は「用具名」ではなく「暮らし」で書く
例えば手すりの計画なら、「手すりを使う」では目標になりません。
「寝室からトイレまで、一人で歩いて行けるようにする」のように、暮らしの場面で書いてみてください。そうすると、モニタリングで何を確かめればいいかも決まってきます。
4つのブロックを埋めた例
廊下に手すりを借りる場面を例に、4つのブロックを埋めるとこんな形になります。実際の書き方は、事業所の様式に合わせてみてください。
- 目標:寝室からトイレまで、夜も一人で歩いて行けるようにする
- 選定理由:本人が自分でトイレに行きたいと話している。歩く時にふらつきがあり、廊下の壁に伝って歩いている
- 注意点:手すりの高さと位置を本人と確かめた。体重をかけた時にぐらつきがないか、使う前に見てもらう
- モニタリング:使い始めてしばらくしたら訪問し、夜間に使えているか、位置が合っているかを確かめる
選定理由に「希望・身体の状況・住まい」の3つが入っていると、ケアマネジャーや家族にも説明しやすくなります。
ケアプランとの関係はどうなっている?
ケアプランがある時は、その内容に沿って福祉用具サービス計画を作ります。作った計画は、利用者だけでなく担当のケアマネジャーにも渡します。
ケアマネジャーとのやり取りが多いのも、この仕事の特徴ですよね。
ケアプランに福祉用具貸与を入れる時は、なぜ必要なのかの理由が書かれることになっています。福祉用具専門相談員は、その理由を受けて、用具の部分を具体的にしていきます。
| 場面 | ケアマネジャー | 福祉用具専門相談員 |
|---|---|---|
| 計画づくり | ケアプランに福祉用具が必要な理由を書く | ケアプランに沿って福祉用具サービス計画を作る |
| 話し合い | サービス担当者会議を開く | 会議で用具の提案や計画を説明する |
| 交付 | ケアプランを交付する | 計画を利用者とケアマネジャーに交付する |
| 使い始めた後 | 必要性を随時検討する | モニタリングして記録を届ける |

サービス担当者会議で計画を説明する
サービス担当者会議は、利用者に関わる職種が集まって支援を話し合う場です。福祉用具専門相談員は、ここで用具の提案や計画の中身を説明することがあります。
「夜間のトイレへの移動を目標に、廊下に手すりを考えています」
「位置は、ご本人と一緒に高さを確かめてから決めますね」
こんなふうに、目標と選んだ理由を短く伝えられると、ほかの職種とも話がかみ合いやすくなります。
両者の違いをもっと知りたい方は、福祉用具専門相談員とケアマネジャーの違いも読んでみてください。
モニタリングの時期は計画にどう書く?
令和6年度の改定で、計画にモニタリングの実施時期を書くことが加わりました。結果は記録して、ケアマネジャーに交付します。
『モニタリングって、何をどこまで見ればいいの?』という方もいるはずです。
基準では、計画を作った後にモニタリングを行い、結果を記録して居宅介護支援事業者に報告します。必要なら計画を変えます。
選択制の対象の用具を貸与した時は、使い始めてから6月以内に少なくとも1回モニタリングし、貸与を続ける必要があるかを考えます。対象は固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖です。
- 目標に書いた暮らしの場面で、用具が使えているか
- 身体の状況や住まいに変化がないか
- 使い方が説明のとおりになっているか
- 用具に傷みや不具合がないか
- 本人や家族が困っていることはないか
国の調査では、モニタリングは概ね4〜6か月以内に、利用者一律に期間を決めて行う事業所が多いそうです。方法は利用者宅を訪問して確かめるやり方が一番多いとされています。
例えば、こんな聞き方をすると様子がつかみやすくなります。
「夜中にトイレへ行く時、手すりは使えていますか?」
「最初は使っていましたが、最近は壁をつたっています」
こうした返事から、手すりの位置の見直しやケアマネジャーへの相談につなげていきます。
計画書づくりでよくある失敗
目標が「用具を使う」だけになっていて、モニタリングで何を見るか決まらない。選定理由が「本人の希望」だけで、身体の状況や住まいの話が抜けている。
慣れてくると、前に書いた計画書の文をそのまま使いたくなりますよね。
ただ、同じ歩行器でも、使う人と住まいが違えば目標も注意点も変わります。コピーした文は、その人の暮らしに合っているかを一度読み直してみてください。
| よくある書き方 | 直し方の例 |
|---|---|
| 歩行器を使用する | 居間から玄関まで、歩行器で一人で移動できるようにする |
| 本人の希望により選定 | 本人の希望に加え、段差の有無や通路の幅から選んだ理由を書く |
| 安全に注意する | ブレーキのかけ方、段差の越え方など具体的な注意点を書く |
| 適宜モニタリング | いつ頃、何を確かめるかを書く |
計画は一度作って終わりではありません。モニタリングで見えたことを、次の計画に生かしていく流れが大事なんです。
日々の仕事の中での計画の位置づけは、福祉用具専門相談員の仕事内容で詳しく紹介しています。
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福祉用具サービス計画についてよくある相談
福祉用具の事業所で働く人から多い相談を選んで要約しました。細かい運用は、保険者や事業所の手順で確かめてみてください。
計画書は事務員が作ってもいい?
福祉用具サービス計画は福祉用具専門相談員が作るのか、資格のない事務員が作ってもいいのか、という相談です。
国の基準では、計画は福祉用具専門相談員が作ることになっています。入力などの作業を手伝ってもらう場合も、中身を考えて利用者に説明するのは相談員の役割と考えておきましょう。
利用者や家族にも渡さないといけない?
計画書や選定提案の書類を、利用者や家族にも渡す必要があるのか、という相談です。
基準では、計画の内容を利用者や家族に説明し、利用者の同意を得て、利用者と担当の介護支援専門員に交付します。どの書類をどう渡すかは事業所の様式によるので、事業所の手順で確かめてみてください。
ケアマネジャーが変わったら作り直す?
ケアマネジャーが変わった時や、介護保険証の有効期間が更新された時に、計画書を作り直すのか、という相談です。
基準では、ケアプランがある時はそれに沿って作り、モニタリングの結果を踏まえて必要なら計画を変えます。作り直しの扱いは保険者で考え方が違うこともあるので、事業所の管理者や保険者に確認しておくと安心です。
よくある質問
福祉用具サービス計画とは何ですか?
福祉用具貸与計画と特定福祉用具販売計画をまとめた呼び方です。福祉用具専門相談員が、利用者の希望や心身の状況、住まいを踏まえて、目標やサービスの内容、モニタリングの時期を書いて作ります。
福祉用具サービス計画は誰に交付しますか?
利用者と、担当の介護支援専門員に交付します。交付の前に内容を説明して、利用者の同意を得ます。
ケアプランが無いと計画は作れませんか?
基準では、ケアプランが既にある時はその内容に沿って作るとされています。計画づくりの順番は、ケアマネジャーと相談しながら進めてみてください。
モニタリングの時期はどう決めますか?
計画にモニタリングの実施時期を書きます。選択制の対象の用具を貸与した時は、使い始めてから6月以内に少なくとも1回行います。
まとめ
- 福祉用具サービス計画は、福祉用具専門相談員が作る貸与計画と販売計画のこと
- 目標、具体的なサービス内容、モニタリングの時期などを書き、同意をもらって交付する
- 中身は目標・選定理由・注意点・モニタリングの4ブロックで考えると書きやすい
- ケアプランがある時は、その内容に沿って作る
- 令和6年度の改定で、モニタリングの時期の記載と記録のケアマネジャーへの交付が加わった
- 細かい運用は、事業所の手順や保険者の案内で確認を





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