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「改定で福祉用具の仕事が変わったらしい」と聞いても、何が増えたのかがはっきりしないと落ち着かないですよね。
結論から言うと、2024年度(令和6年度)の改定で福祉用具専門相談員の仕事に関わる大きな変化は、貸与と販売の選択制と、モニタリングのルールの明確化です。説明や記録の作業が少し増えました。
この記事を読むと、改定の中身と、現場で実際に増える作業が表で分かります。
2024年度の改定で何が変わった?
福祉用具専門相談員の仕事に関わる主な変更は、選択制の導入、モニタリングの時期を計画に書くこと、モニタリングの記録をケアマネジャーに交付することです。あわせて、福祉用具の選定の判断基準も改訂されました。
『介護報酬改定って、事業所の報酬の話じゃないの?』と思う方もいるかもしれません。
実は、報酬だけでなく、事業所が守る基準も一緒に見直されます。今回は、福祉用具専門相談員がする説明や記録のルールが変わりました。
| 変わったこと | 中身 | 始まり |
|---|---|---|
| 貸与と販売の選択制 | 一部の用具を、レンタルか購入かから選べる | 令和6年4月 |
| 計画にモニタリングの時期 | 福祉用具貸与計画の記載事項に、モニタリングの実施時期を追加 | 令和6年度改定 |
| モニタリング記録の交付 | 結果を記録し、その記録を介護支援専門員へ交付することを義務化 | 令和6年度改定 |
| 選定の判断基準 | 「介護保険における福祉用具の選定の判断基準」を改訂 | 令和6年度改定 |
選定の判断基準とは
「介護保険における福祉用具の選定の判断基準」は、用具を選ぶ時の目安として国が示しているものです。平成16年度に作られ、令和6年度の改定で見直されました。
用具を選ぶ時の考え方の土台になるので、事業所で新しい版を一度読んでおくと安心です。
選択制のねらいは、利用者の負担が重くなりすぎないようにしつつ、制度を続けられるようにすることです。福祉用具を適切な時期に、安全に使ってもらうことも目的に入っています。
選択制ではどの用具が選べるようになった?
固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖の4つです。比較的安く、購入したほうが負担を抑えられる人が多いものが選ばれています。
『杖ならレンタルより買ったほうが安いのでは?』と感じたことがある方もいますよね。
選択制は、まさにその考え方から生まれたしくみです。これまでレンタルだけだった用具の一部を、販売でも選べるようにしました。

| 用具 | 対象になるもの | 対象外のもの |
|---|---|---|
| スロープ | 固定用スロープ | 固定用でないスロープはレンタルのみ |
| 歩行器 | 歩行器 | 歩行車 |
| 歩行補助つえ | 単点杖、多点杖 | 松葉づえ |
販売を選んだ用具は、特定福祉用具販売の対象になります。購入費は原則年間10万円が支給限度で、原則9割が給付されます(所得により8割・7割)。
13種目全体の中での位置づけは福祉用具専門相談員が扱う福祉用具で一覧にしています。
説明と提案はどう変わった?
選択制の用具は、貸与と販売のどちらも選べることを、メリットとデメリットを含めて十分に説明します。そのうえで、医師や専門職の意見と身体の状況を踏まえて提案します。
選ぶのは利用者ですが、判断の材料をそろえるのは福祉用具専門相談員の役目なんです。
基準では、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ケアプランに位置づけたサービスの担当者などの意見を踏まえることになっています。サービス担当者会議などで、多職種の判断を聞く場面が増えたと考えておきましょう。
例えば、多点杖を使い始める方に説明する場面です。
「しばらく様子を見たいなら、まず借りてみる方法があります」
「長く使うことがはっきりしているなら、購入という選び方もあります」
どちらがいいかを決めつけず、身体の状況の変化や使う期間の見込みを一緒に考えるのがポイントです。
提案までの流れ
説明から提案までは、次の順番で進めると抜けが少なくなります。
- 用具が選択制の対象か、品目と形で確かめる
- 貸与と販売のどちらも選べることを伝える
- それぞれのメリットとデメリットを説明する
- 医師や専門職、サービス担当者の意見を確かめる
- 本人の身体の状況と使う見込みを踏まえて提案する
- 本人と家族が選んだ結果を、計画とケアマネジャーへの連絡に反映する
『説明に時間がかかって、訪問が長くなりそう…』と感じる方もいますよね。説明の言い回しや資料を事業所でそろえておくと、毎回の負担が軽くなります。
- 身体の状況が変わったら用具を替えやすい
- 点検やメンテナンスを受けながら使える
- モニタリングで使い方を確かめてもらえる
- 長く使うと、合計の負担が購入より大きくなることがある
- 毎月の利用料がかかり続ける
- 使わなくなったら返却の手続きが要る
モニタリングのルールはどう変わった?
福祉用具貸与計画にモニタリングの時期を書くことになりました。結果は記録して、ケアマネジャーに交付します。
モニタリング自体は前からしていた、という方も多いはずです。
変わったのは、時期を計画に書くことと、記録をケアマネジャーに渡すことが基準ではっきりした点です。選択制の用具を貸与した時は、使い始めてから6月以内に少なくとも1回モニタリングし、貸与を続ける必要があるかを考えます。
販売を選んだ時も、渡して終わりではありません。計画に書いた目標の達成状況を確かめ、要請があれば使い方の指導や修理などに努めます。商品に不具合があった時の連絡先も伝えます。
記録には何を書けばいい?
記録の様式は事業所によって違います。ただ、ケアマネジャーが読んで次の判断に使えるかを意識すると、書く中身が決まってきます。
- いつ、どの方法で確かめたか(訪問、電話など)
- 用具が目標の場面で使えているか
- 身体の状況や住まいに変化があったか
- 貸与を続けるか、見直すかの考え
- 本人や家族から出た困りごと
国の調査では、直近のモニタリングの方法は利用者宅を訪問して確かめるやり方が一番多いとされています。訪問で見たことを、そのまま記録に残すイメージです。
計画書の書き方は福祉用具サービス計画とはで、4つのブロックに分けて詳しく紹介しています。
現場で増える作業を表で見る
改定の中身を現場の作業に置き換えると、説明の準備、記録、ケアマネジャーへの連絡の3つが増えます。
制度の文章だけ読んでも、自分の1日がどう変わるのかはイメージしにくいですよね。
そこでこの記事では、改定の4つの中身を「現場で増える作業」に置き換えてみました。講習の見直しも、新しく入る人に関わる変化なので並べています。
| 改定の中身 | 現場で増える作業 | 準備しておくこと |
|---|---|---|
| 選べる品目(貸与か販売か) | 対象の用具か見分け、両方の選び方を案内する | 対象4品目と対象外のものを覚える |
| 説明と提案の義務 | メリット・デメリットの説明、専門職の意見の確認 | 説明に使う資料と言い回しを決めておく |
| モニタリングの時期と記録の交付 | 計画に時期を書き、記録を作ってケアマネジャーに渡す | 記録の様式と渡し方を事業所でそろえる |
| 指定講習の見直し | 新しく入る人は令和7年4月からの53時間の講習で学ぶ | 研修で安全利用やリスクの話を共有する |

例えば、歩行器を借りている方のモニタリングに行く場面を考えてみましょう。これまでは様子を確かめて事業所の記録に残すだけだったかもしれません。
今は、計画に書いた時期に訪問し、記録を作ってケアマネジャーに渡すところまでが一連の仕事です。「先日の訪問の記録をお送りしますね」という連絡が、毎月の流れに加わるイメージです。
講習の時間数の変化は、福祉用具専門相談員の講習内容で紹介しています。
- 選択制の対象用具を、品目名で言えるか
- 貸与と販売のメリット・デメリットを、自分の言葉で説明できるか
- 計画にモニタリングの時期を書く欄があるか
- モニタリングの記録をケアマネジャーに渡す流れが決まっているか
- 販売後の不具合の連絡先を伝える資料があるか
よく混同される「努力義務」の時期
福祉用具専門相談員が自己研鑽に励み、知識や技能を身につけるよう努める決まりは、平成27年度の改定でできたものです。令和6年度の改定で新しくできたわけではありません。
改定の解説を読み比べると、いつの改定の話なのかが混ざっていることがありますよね。
国の資料の年表で見ると、福祉用具まわりの主な改定は次のとおりです。
| 時期 | 主な中身 |
|---|---|
| 平成24年度 | 福祉用具貸与・販売計画の作成を義務化 |
| 平成27年度 | 要件の見直し、自己研鑽の努力義務 |
| 平成30年度 | 全国平均貸与価格の説明、複数商品の提示、計画書をケアマネジャーへ交付 |
| 令和3年度 | 退院・退所カンファレンスへの関与を明示 |
| 令和6年度 | 選択制、モニタリング時期の記載、記録の交付、判断基準の改訂 |
改定のたびに学び直す必要があるのは、更新制度がない資格だからこそでもあります。この点は福祉用具専門相談員の資格に更新はある?で詳しく紹介しています。
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改定についてよくある相談
選択制について、現場や利用者側から多い相談を選んで要約しました。手続きの細部は、お住まいの市区町村の案内で確かめてみてください。
販売を選んだ用具は特定福祉用具になる?
選択制で販売を選ぶと、特定福祉用具の扱いになるのか、という相談です。
利用者が販売を選んだ固定用スロープ、歩行器、単点杖、多点杖は、特定福祉用具販売の対象に加わります。購入費の支給の扱いになると考えておきましょう。
四点杖を購入したら負担割合分だけの支払い?
多点杖をレンタルでなく購入した時、支払いは負担割合の分だけになるのか、という相談です。
購入費は原則9割が給付され、所得により8割・7割になります。支給限度は原則年間10万円です。支払いの流れが立て替えか、最初から負担割合分だけかは市区町村の手続きによるので、窓口で確かめてみてください。
スロープを購入する時の申請書類は増える?
選択制で固定用スロープを購入する時、これまでの申請書類のほかに何が要るのか、という相談です。
提出する書類や様式は、市区町村ごとに違います。保険者の案内を確かめ、ケアマネジャーとも相談しながら準備してみてください。
よくある質問
福祉用具専門相談員に関わる改定の一番大きな変化は何ですか?
2024年度の改定では、貸与と販売の選択制の導入と、モニタリングのルールの明確化が大きな変化です。説明と記録の作業が増えました。
選択制の対象になる用具は何ですか?
固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖の4つです。
選択制で貸与を選んだ後は何をしますか?
使い始めてから6月以内に少なくとも1回モニタリングし、貸与を続ける必要があるかを考えます。結果は記録して、ケアマネジャーに交付します。
自己研鑽の努力義務は2024年度の改定でできたのですか?
いいえ、平成27年度の改定でできた決まりです。福祉用具専門相談員は、知識や技能を身につけて保つよう努めることになっています。
改定の中身はどこで確認できますか?
厚生労働省の介護給付費分科会の資料や、事業所が守る基準で確かめられます。最新の運用は、お住まいの都道府県や市区町村の案内でも確認を。
まとめ
- 2024年度の改定で、福祉用具専門相談員の仕事に関わる大きな変化は選択制とモニタリングの明確化
- 選択制の対象は、固定用スロープ、歩行器、単点杖、多点杖の4つ
- 貸与と販売のメリット・デメリットを説明し、専門職の意見と身体の状況を踏まえて提案する
- 計画にモニタリングの時期を書き、記録をケアマネジャーに交付する
- 自己研鑽の努力義務は平成27年度から
- 最新の運用は、都道府県や市区町村の案内で確認を





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