福祉用具専門相談員の役割|利用者・家族・ケアマネをつなぐ立場

福祉用具専門相談員の役割を、利用者・家族・ケアマネをつなぐ立場として解説する記事のアイキャッチ

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介護のチームにはいろいろな職種がいて、福祉用具専門相談員の役割がどこにあるのか、つかみにくいですよね。

結論から言うと、福祉用具専門相談員の役割は「道具の専門家」と「生活の聞き手」の2つの顔を持ち、本人・家族・ケアマネジャーをつなぐことです。

この記事を読むと、チームの中での立ち位置と、役割を果たせているかを確かめるポイントが分かります。

目次

福祉用具専門相談員の役割は2つの顔で見ると分かる

先に結論

福祉用具専門相談員の役割は、用具の機能や使い方に詳しい「道具の専門家」と、暮らしの困りごとを聞き取る「生活の聞き手」の2つです。どちらか片方だけでは、合う用具は選べません。

『福祉用具に詳しい人、というだけじゃないの?』と思った方もいるはずです。

実は、道具の知識だけでは役割の半分なんです。その人がどんな暮らしをしたいのかを聞けて、はじめて用具の知識が活きてきます。

2つの顔主にすること例えばこんな場面
道具の専門家用具の機能を比べて説明し、体に合わせて調整し、点検や消毒で安全に使える状態にする歩行器の高さを、本人の腕の長さに合わせて調整する
生活の聞き手どんな暮らしを続けたいかを聞き、住まいや家族の介助の様子を見て、使い始めてからの困りごとを拾う『夜のトイレが心配』という声から、寝室からトイレまでの動線を一緒に確かめる
福祉用具専門相談員の役割を、道具の専門家と生活の聞き手の2つの顔で比べた図解

2つの顔が重なる場面

例えば、ベッドから立ち上がるのがつらい人の自宅を訪ねたとします。

「立つ時に、どこに手をつきたいですか」
「ベッドの端だと滑るので、何かつかまる所があれば」

ここで聞き手として困りごとを拾い、道具の専門家として手すりの種類や位置を考えます。この2つがつながった時に、福祉用具専門相談員らしい役割が果たせるんです。

国も、本人の希望や心身の状況、環境を踏まえて用具を選び、使い方まで含めて助言する専門職だと説明しています。福祉用具専門相談員の全体像は福祉用具専門相談員とはで紹介しています。

なぜ2つの顔が必要なの?

どんなに良い用具でも、暮らしに合っていなければ使われなくなってしまいます。部屋に置いたままの歩行器、という話を聞いたことがある方もいるかもしれませんね。

反対に、困りごとを聞くだけで用具の知識がなければ、具体的な提案ができません。聞いた話を用具の形にして返すところまでが、福祉用具専門相談員の役割なんです。

介護保険の福祉用具は、本人の自立を助けるための用具とされています。介護する家族の負担を軽くすることも、用具選びの大事な目的です。

チームの中での立ち位置は?誰と何をつなぐのか

つなぎ役としての役割

福祉用具専門相談員は、本人と家族の声をケアマネジャーに伝え、ケアプランの目標を用具の形にする立場です。介護職やリハビリ職の意見も受け取りながら、用具を合わせていきます。

チームの中でどう動くのかは、相手ごとに見ると分かりやすいですよね。

相手相手から受け取るもの福祉用具専門相談員から渡すもの
本人暮らしの希望、体の動きや困りごと用具の選択肢、使い方の説明、調整
家族介助の様子、家での心配ごと介助が楽になる使い方、注意点、故障時の連絡先
ケアマネジャーケアプランの目標、相談の依頼福祉用具サービス計画、モニタリングの記録
介護職日々の介助で気づいたこと介助しやすい用具や使い方の提案
理学療法士・作業療法士体の動きや生活動作の見立て用具の調整や変更の相談
福祉用具専門相談員を真ん中に、本人・家族・ケアマネジャー・介護職・リハビリ職とのつながりを示した立ち位置の図解

ケアマネとの役割の分け方

ケアマネジャーは、暮らし全体のケアプランを作る人です。福祉用具専門相談員は、そのプランの中で福祉用具の部分を受け持ちます。

ケアプランが既にある時は、その内容に沿って福祉用具の計画を作るのが決まりです。違いをもっと詳しく知りたい方は福祉用具専門相談員とケアマネジャーの違いを読んでみてください。

会議や退院前の場でも役割がある

サービス担当者会議では、福祉用具専門相談員も出席して、なぜその用具を選んだのかを説明します。

2021年度からは、病院や施設を出る前のカンファレンスに、福祉用具専門相談員などが関わることも明示されました。家に戻る前から、暮らしの準備に関わる役割があるということですね。

家族との関わり方

家族は、毎日用具を一緒に使う一番身近な人です。ただ、介助の大変さを遠慮して言わないこともあります。

「夜は何回くらい起こされますか」「介助の時に腰がつらくなることはありますか」のように、家族自身のことも聞いてみるのがポイントです。家族の声から、用具の使い方や置き場所を見直すきっかけが見つかることも多いんです。

制度から見た福祉用具専門相談員の役割

基準に書かれた役割

介護保険の基準では、福祉用具専門相談員が計画を作り、本人とケアマネに渡し、使い始めてからのモニタリングの記録もケアマネに渡すことが決められています。

『役割って、職場によって違うのでは?』と思うかもしれません。

もちろん働き方は職場で変わります。ただ、介護保険の中で求められる役割は、国の基準でかなり具体的に決められているんです。

基準で決められている役割の流れ
  1. 目録などの書類で、機能や利用料、全国平均の貸与価格を説明する
  2. 同じ種目で機能や価格帯の違う用具を複数示す
  3. 目標や見直しの時期を書いた計画を作り、本人とケアマネに渡す
  4. 用具を点検し、体に合わせて調整して使い方を説明する
  5. モニタリングの結果を記録して、ケアマネに渡す

2024年度からは、固定用スロープや歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖を、借りるか買うかで選べるようになりました。この時、メリットとデメリットを説明して提案するのも福祉用具専門相談員の役割です。

計画の中身は福祉用具サービス計画とはで、場面ごとの動き方は福祉用具専門相談員の仕事内容で紹介しています。

学び続けることも役割のうち

基準では、福祉用具専門相談員は常に自己研鑽に励み、知識と技能の修得や向上に努めることとされています。この努力義務は2015年度の改定でできたものです。

借りられない用具がある人への役割

要支援1・2と要介護1の人は、車いすや特殊寝台などが原則として介護保険の対象外です。ただ、国が定める状態に当たる人は、例外的に借りられる場合があります。

その判断には、ケアマネジャーのケアマネジメントや市区町村の確認が関わります。福祉用具専門相談員は、本人の状態や必要な理由をケアマネと共有する立場にいます。

手続きの細かな流れは市区町村ごとに違うので、地域の案内で確かめてみてください。

役割を果たせているか?セルフチェック表

振り返りに使える

福祉用具専門相談員として働き始めた方は、次の表で自分の動きを振り返ってみてください。できていない項目が見つかったら、次の訪問で一つずつ試してみるのがおすすめです。

役割は頭で分かっていても、忙しい日が続くと抜けやすいものですよね。

場面確かめたいことできている
相談用具の話の前に、本人の暮らしの希望を聞いたかはい・いいえ
選定機能や価格帯の違う用具を複数示したかはい・いいえ
計画目標とモニタリングの時期を書き、ケアマネに渡したかはい・いいえ
納品本人と家族に、実際に使ってもらいながら説明したかはい・いいえ
見直し使い始めてからの困りごとを、こちらから聞いたかはい・いいえ
連携モニタリングの記録をケアマネに渡したかはい・いいえ
よくある失敗

用具を届けた安心感で、使い始めてからの確認が後回しになりがちです。小さな困りごとほど、こちらから聞かないと出てきません。

「いいえ」が多かった時は

『全部できている自信がない…』という方も多いはずです。最初から全部そろっている人はいないので、安心してください。

まずは「相談」と「見直し」の2つから始めてみるのがおすすめです。

用具の話の前に暮らしを聞くこと、使い始めた後にこちらから声をかけること。この2つだけでも、役割の手応えはかなり変わります。

経験を重ねた先の役割

経験を積むと、後輩の同行や指導を任されることもあります。福祉用具専門相談員として2年以上働くなどの条件を満たすと、公益財団法人テクノエイド協会の福祉用具プランナーの講習を受ける道もあります。

その先の道は福祉用具専門相談員のキャリアアップで紹介しています。

これから福祉用具専門相談員を目指す方は、どんな職場ならこうした役割を学べるかも気になるところですよね。研修や先輩との同行がある職場かどうかは、求人を比べる時の目安になります。

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福祉用具専門相談員の役割についてよくある相談

相談の選び方

福祉用具専門相談員の役割について、よく出る相談を3つ選び、国の基準や公開情報で分かる範囲で答えています。

福祉用具専門相談員の資格は、持っていると便利?

どんな役割の資格なのか、持っていると役立つのかを知りたい、という相談です。

指定講習を修了すると、介護保険の福祉用具の貸与や販売の事業所で、福祉用具専門相談員として働けるようになります。事業所には常勤換算で2人以上の配置が決められているので、現場で求められる職種です。

講習では、介護保険の仕組みや体の理解、住環境まで学びます。家族の介護で用具を選ぶ時にも、考え方の土台になるはずです。

介護職員と福祉用具専門相談員、どちらに就くか迷っている

来年からどちらかの仕事に就きたいけれど、違いが分からず決められない、という相談です。

介護職員は、食事や入浴などの介助を直接行う役割です。福祉用具専門相談員は、用具を通して本人の暮らしと介助する人の負担を支える役割です。

『人の体に直接ふれるケアがしたいのか、道具と住まいから支えたいのか』を考えてみると、向いている方が見えてきます。

介護職員として働いた経験は、福祉用具専門相談員になってからも活きます。介助の大変さを知っている人ほど、家族や介護職の声を聞き取りやすいからです。

まず介護の現場で働いてから福祉用具の仕事に移る、という順番を選ぶ人もいます。どちらが正解ということはないので、今やってみたい方から選んで大丈夫です。

社会福祉士を取れば、福祉用具の相談の役割もできる?

社会福祉士の資格を取ると、福祉用具の相談員やプランナーとしての役割もできるのか、という相談です。

社会福祉士は、講習を受けなくても福祉用具専門相談員として認められる国家資格の一つです。介護保険法施行令にそう書かれています。

一方、福祉用具プランナーは、公益財団法人テクノエイド協会の研修を修了して認定される別のものです。受講には、福祉用具専門相談員などとして働いた経験が求められます。

よくある質問

福祉用具専門相談員の役割を一言で言うと?

本人の暮らしに合う福祉用具を一緒に選び、使い方まで支え、本人・家族・ケアマネジャーをつなぐ役割です。

福祉用具専門相談員とケアマネジャーの役割の違いは?

ケアマネジャーは暮らし全体のケアプランを作ります。福祉用具専門相談員は、その中の福祉用具の計画を作り、使い始めてからの様子をケアマネに伝えます。

福祉用具専門相談員は介助もしますか?

食事や入浴などの介助は役割に含まれません。介助しやすい用具や使い方を提案して、介護する人の負担を軽くする立場です。

モニタリングの役割は誰が担いますか?

福祉用具専門相談員が行い、結果を記録してケアマネジャーに渡します。2024年度の改定で、記録をケアマネに渡すことが決められました。

福祉用具専門相談員の役割は、レンタルと販売で違いますか?

どちらも用具選びの助言と計画づくりを行う点は同じです。販売の場合も計画を作って本人に渡し、選択制の4品目では目標に近づいているかを確かめます。

まとめ

この記事の要点
  • 福祉用具専門相談員の役割は「道具の専門家」と「生活の聞き手」の2つの顔
  • 本人・家族・ケアマネ・介護職・リハビリ職の間で、声と情報をつなぐ立場
  • 計画を作って本人とケアマネに渡し、モニタリングの記録もケアマネに渡す
  • 自己研鑽に努めることも、基準で求められる役割の一つ
  • セルフチェック表で、相談から見直しまでの動きを振り返れる
福祉用具専門相談員ガイド

福祉用具専門相談員ガイド 編集部

福祉用具専門相談員とは何か、資格の取り方と指定講習・修了評価、講習なしでなれる国家資格、仕事内容と職場、求人の探し方までを、これから目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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