福祉用具専門相談員が扱う福祉用具|貸与13種目と販売の種目

福祉用具貸与の13種目と特定福祉用具販売の種目を解説する記事のアイキャッチ

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介護保険の福祉用具には、借りるものと買うものがあると聞いても、どの種目がどちらなのか覚えにくいですよね。

結論から言うと、介護保険の福祉用具は「貸与(レンタル)」が基本で、福祉用具貸与の種目は13あります。人が使ったものを再利用しにくい用具だけが、購入の対象になっています。

この記事を読むと、福祉用具専門相談員が扱う用具の全体と、借りられない種目や選べる4品目の考え方が分かります。福祉用具専門相談員という仕事そのものについては福祉用具専門相談員とはで紹介しています。

目次

介護保険の福祉用具は「借りる」が基本

先に結論

介護保険の福祉用具は、体の状態の変化に合わせて取りかえやすい貸与が原則です。入浴や排せつに使うものなど、再利用に抵抗があるものや再利用できないものが、例外として購入の対象になっています。

『介護用品なら、買ったほうがずっと使えて得なのでは?』と思う方もいるかもしれません。

ただ、体の状態は時間とともに変わります。合わなくなった時に取りかえやすいように、借りるのが基本の考え方になっているんです。

国の資料では、購入の対象になる理由が次のように説明されています。

購入の対象になる理由当てはまる用具の例
他人が使ったものを再利用することに、心理的な抵抗感がある腰掛便座、入浴補助用具など、肌に直接触れる入浴や排せつの用具
使うと形や品質が変わって、再利用できない移動用リフトのつり具の部分
選択制の対象で、利用者が購入を選んだ固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖、多点杖
介護保険の福祉用具を、借りるもの(貸与)と買うもの(販売)に分け、購入になる理由を示した図解

覚え方のコツは「肌に触れる入浴や排せつの用具は買う、それ以外はまず借りる」です。これだけで、ほとんどの種目の見分けがつきます。

費用の考え方

貸与も購入も、決まった公定価格はなく、実際にかかった費用をもとに介護保険から給付されます。給付の割合は原則9割で、所得によって8割や7割になります。

購入の場合は、原則として年間10万円が支給の上限です(厚生労働省の資料より)。細かな手続きは市区町村によって違うので、お住まいの地域の案内も確かめてみてください。

福祉用具貸与の13種目一覧

13種目は「動く・寝る・支える」

福祉用具貸与の種目は、車いすや特殊寝台のような大きな用具から、手すりや杖まで13あります。付属品を別に数えて13種目です。

ここでは、福祉用具貸与の種目を、どんな場面で使うかと一緒に一覧にしました。

種目どんな場面で使う?
車いす歩いて移動するのが難しい時の移動
車いす付属品クッションなど、車いすを使いやすくする
特殊寝台高さや背もたれの角度を変えて、寝起きを楽にする
特殊寝台付属品マットレスやサイドレールなど
床ずれ防止用具床ずれ防止用のマットレスなど
体位変換器寝ている姿勢を変える介助を楽にする
手すり立ち上がりや歩く時につかまる
スロープ玄関などの段差を越えやすくする
歩行器歩く時に体を支える
歩行補助つえ杖で歩行を支える(松葉づえを含む)
認知症老人徘徊感知機器家の外に出ようとした時に家族に知らせる
移動用リフト(つり具の部分を除く)ベッドから車いすへの移乗などを助ける
自動排泄処理装置排せつの処理を自動で行う

『13個もあると覚えられない…』という方は、「移動」「寝る」「支える」「見守る・排せつ」のまとまりで見てみてください。

貸与の種目で福祉用具専門相談員がすること

貸与の種目では、福祉用具専門相談員が同じ種目の中から、機能や価格帯の違う用具を複数示すことが決められています。目録などの書類で、機能や利用料、全国平均の貸与価格も説明します。

貸し出しが多い商品には、貸与価格の上限も設けられています。月平均100件以上の商品は、全国平均の貸与価格に1標準偏差を足した額が上限です。

レンタルの用具は、前の人が使った後に消毒や保守点検をしてから届けます。『中古だと不安…』という方にも、点検や消毒の流れを説明できると安心してもらえますね。

手すりは住宅改修との違いも見ておく

手すりは福祉用具貸与の種目にありますが、介護保険の住宅改修でも「手すりの取付け」ができます。住宅改修の支給限度基準額は、原則として生涯20万円です。

どちらで用意するかは、家の造りや使い方によって変わります。ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談しながら決めていくことが多い部分です。

種目ごとに用具を選び、計画を作って届けるまでの流れは福祉用具専門相談員の仕事内容で紹介しています。

特定福祉用具販売の種目一覧

購入するのは入浴・排せつまわりが中心

特定福祉用具販売の種目は、腰掛便座や入浴補助用具など、肌に直接触れる入浴・排せつの用具が中心です。これに、選択制で購入を選んだ用具が加わります。

購入の対象になる種目は次のとおりです。

種目中身の例
腰掛便座便座の高さを補うものなど
自動排泄処理装置の交換可能部品本体を借りている時の交換用の部品
排泄予測支援機器2022年4月から対象に加わった機器
入浴補助用具入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用介助ベルト
簡易浴槽部屋の中で入浴するための浴槽
移動用リフトのつり具の部分体を包んでつり上げる部分

選択制の対象のうち、利用者が購入を選んだ固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖も、販売の対象になります。

リフトは本体とつり具で分かれる

移動用リフトは、本体が貸与、体に触れるつり具の部分が販売です。同じ用具でも借りる部分と買う部分がある、という珍しい例ですね。

販売の種目でも計画を作る

購入の場合も、福祉用具専門相談員は特定福祉用具販売計画を作り、本人に説明して同意をもらい、計画を渡します。

入浴用いす一つでも、浴室の広さや浴槽の高さで合うものは変わります。買って終わりにせず、使う場所を見てから選ぶのがポイントです。

2024年度から借りるか買うか選べる4品目

選べるのは比較的安価な4品目

2024年4月から、固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖の4品目は、貸与か販売かを選べるようになりました。購入したほうが負担が抑えられる人が多い用具です。

この見直しの背景や、ほかの変更点は2024年度の介護報酬改定で詳しく紹介しています。

ここでは、借りる場合と買う場合で、福祉用具専門相談員がどう関わるかを比べてみました。

選んだ方法福祉用具専門相談員がすること
借りる(貸与)使い始めてから6か月以内に少なくとも1回モニタリングし、続けて借りる必要があるかを考える
買う(販売)販売計画に書いた目標に近づいているかを確かめる。不具合の時の連絡先を伝え、頼まれたら使い方の確認や修理などに努める

選ぶ時には、福祉用具専門相談員かケアマネジャーが、メリットとデメリットを含めて説明します。医師やリハビリの専門職の意見、本人の体の状態も踏まえて提案するのが決まりです。

こうした説明と提案は、福祉用具専門相談員の大事な役割の一つです。チームの中での立ち位置は福祉用具専門相談員の役割で詳しく見ています。

例えば、こんなやりとりになることがあります。

「杖はずっと使いそうだから、買ってしまおうかしら」
「体の状態が変わりそうな時期なら、まず借りて様子を見る方法もありますよ」

選ぶ前に確かめたいこと
  • これから体の状態が変わりそうかどうかを考える
  • どのくらいの期間使いそうかをイメージする
  • 購入した後の点検や修理をどうするかを聞く
  • 医師やリハビリの担当者の意見を確かめる

要介護度によって借りられない種目がある

軽度の人は原則対象外の種目がある

要支援1・2と要介護1の人は、車いすや特殊寝台など8つの種目が原則として介護保険の対象外です。自動排泄処理装置は、要介護3までが原則対象外になります。

『介護保険を使えば、どの用具でも借りられると思っていた』という声は少なくありません。

実は、要介護度が軽い人には、原則として借りられない種目が決まっているんです。

対象になる人原則として借りられない種目
要支援1・2、要介護1車いす、車いす付属品、特殊寝台、特殊寝台付属品、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフト(つり具の部分を除く)
要支援1・2、要介護1〜3自動排泄処理装置(尿のみを自動的に吸引できる機能のものを除く)
要介護度によって原則として借りられない福祉用具の種目と、例外的に借りられる場合の流れを示した図解

手すりやスロープ、歩行器、歩行補助つえは、要介護度に関係なく借りられる種目です。

例外給付は使う前に手続きを

軽度の人でも、国が定める状態に当たる場合は例外的に借りられることがあります。市区町村によっては、使い始める前の申請が求められ、医師の意見などの書類が必要になることもあります。

福祉用具の種目についてよくある相談

相談の選び方

福祉用具の貸与と販売の種目について、よく出る相談を3つ選び、国や市区町村の公開情報で分かる範囲で答えています。

貸与と販売の種目が覚えられない

特定福祉用具販売と福祉用具貸与の種目の違いが覚えられない、いい覚え方はないか、という相談です。

一番の近道は「なぜ購入なのか」の理由から覚えることです。肌に触れる入浴や排せつの用具は再利用に抵抗があるので購入、リフトのつり具は形が変わるので購入、と理由とセットにすると忘れにくくなります。

それ以外はまず貸与、と覚えておけば十分です。選択制の4品目だけは、両方に入ると覚えておきましょう。

例えば、こんなふうに3つの箱に分けてみると頭に入りやすいはずです。

  • 買う箱:腰掛便座、入浴補助用具、簡易浴槽、つり具、排せつまわりの部品や機器
  • 借りる箱:車いす、特殊寝台、床ずれ防止用具、体位変換器、リフト本体など
  • どちらも選べる箱:固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖、多点杖

要支援の人が借りられる種目は?

福祉用具貸与の13種目のうち、要支援の人は制限があると聞いた。何なら借りられるのか、という相談です。

要支援1・2の人が原則として借りられるのは、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえの4種目と、尿のみを自動的に吸引できるタイプの自動排泄処理装置です。そのほかの種目は、例外給付に当たる場合を除いて原則対象外になります。

親の福祉用具で例外給付を使いたい

親のために福祉用具を借りたいけれど、要介護度の関係で例外給付を考えている、という相談です。

例外給付の判断は、基本調査の結果や、ケアマネジャーのケアマネジメント、市区町村の確認などで行われます。主治医の意見書や診断書などを求められることもあります。

様式や手続きは市区町村ごとに違うので、まずは担当のケアマネジャーに相談してみてください。用具を使い始める前に確認しておくのがポイントです。

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よくある質問

福祉用具貸与の種目はいくつありますか?

13種目です。車いすと特殊寝台は、それぞれ付属品を別の種目として数えます。

特定福祉用具販売の種目には何がありますか?

腰掛便座、自動排泄処理装置の交換可能部品、排泄予測支援機器、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分です。選択制で購入を選んだ4品目も加わります。

歩行器はレンタルと購入のどちらですか?

2024年4月から、歩行車を除く歩行器は借りるか買うかを選べます。歩行車は貸与の対象です。

福祉用具専門相談員は、どの種目を扱いますか?

介護保険の福祉用具貸与と特定福祉用具販売のすべての種目について、選び方や使い方の助言をします。仕事の流れは別の記事で詳しく紹介しています。

まとめ

この記事の要点
  • 介護保険の福祉用具は貸与が基本で、福祉用具貸与の種目は13
  • 肌に触れる入浴・排せつの用具などは、特定福祉用具販売の対象
  • 2024年4月から、固定用スロープ、歩行器、単点杖、多点杖は借りるか買うかを選べる
  • 要支援1・2と要介護1の人は、車いすや特殊寝台など原則借りられない種目がある
  • 例外給付の手続きは市区町村ごとに違うので、使う前にケアマネに相談
福祉用具専門相談員ガイド

福祉用具専門相談員ガイド 編集部

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